内容説明
異世界修学旅行、いよいよ大詰め!
修学旅行の最中に突如飛ばされてしまった異世界で、王女プリシラと共に、クラスメートを探しながら修学旅行を続ける沢木浩介たち二年一組。次なる目的地は、その主である魔王を喪い、今や聖徒会なる集団に支配され、新たな文化の発信地となっている魔王城!聖徒会の野望を打ち砕き、クラスメート全員で日本へと還るため、魔王城へと乗り込んで行った浩介たちだったが――。気付くと浩介の眼の前には、毎日のように通っていた――それでいて懐かしい、母校である緑ヶ丘高等学校の校舎がそびえていた。
「……あれ? 俺たち、異世界で修学旅行をしてたんじゃなかったっけ?」
「異世界? 何をファンタジーなこと言うとるんじゃ。それよりはやく教室へ行こうぞ! このままでは遅刻じゃ! 食パンをくわえて走るのは意外と難しいぞよ!」
「あ、ああ。でも何か、大切なことを忘れてるような――」
日本と異世界が、現在と過去が交錯する懐かしくも心地良い幻の中で、浩介はついに生徒会長・若王子暁と再会する! 聖徒会の、若王子の目的とは? そして、魔王を倒した勇者とは?
異世界で日本を想う修学旅行生たちの異文化コミュニケーションコメディ、第六弾!
※「ガ報」付き!
※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
32
魔王城に辿り着いた沢木たちが幻の世界に取り込まれる第六弾。沢木と生徒会長・若王子の過去が明かされる話。二周目の学園生活withプリシラP。スタートに戻った今回。日本と異世界、そして過去と現在が交差する幻の世界でも持ち前のギャグの勢いは衰えることを知りませんね。プリシラP流石だぜ。ギャグだけでなく、修学旅行を通して変わっていった生徒たちの姿もしっかりと確認できる内容になってたのも中々良かったです。ほんのり切なく、それでいて爽やかでちょっぴり感動的な所も青春らしさが出てていい感じ。さて、次巻はどうなるのかな?2017/08/20
わたー
22
★★★★★若王子が女性で、しかも沢木の元カノだったという、沢木へのヘイトがうなぎのぼりなラストから続く今回。観光地化した魔王城へ足を踏み入れた途端、幻に囚われて高校入学からやり直しになってしまうのだが、限定的な2周目世界というギミックを上手く使った展開が素晴らしかった。皆大好きハイファンタジーさんの一喝、プリシラの初めての学園生活もさることながら、若王子からの告白を経て、初めて沢木が主人公らしい活躍をしていたのではないだろうか。これまでの旅の中でしっかり「修学」をしていたと感じることができて好感が持てた。2017/08/20
活字スキー
17
絶妙なバランス感覚とキレの良いボケで快調に繰り広げられる異世界青春群像劇。もう六巻だよ全員集合!か~ら~の~クライマックス前の総集編?これまで鳴かず飛ばずのような扱いだった沢木の潤滑力がここにきて真価を発揮。乱世の英雄が平和の中で存在意義を失ってしまうがごとく、我らがハイファンタジーさんも学園生活においてはただのコミュ障。かつての仲間が物語の終盤で敵に回ってしまうのもよくあるパターン。これまでの修学旅行で育まれてきた絆の力が試される!沢木は土に埋まって死ぬがよい。2018/01/29
ツバサ
16
魔王城に突入。入った途端に魔王の幻術ってことで高校生活2周目をプリシラ有りで送るのは上手い。浩介が若王子と付き合っていたっていうのは疑惑だったのね。そして、プリシラが流した涙で、この異世界修学旅行は終わりに向かってるんだと思うと辛い。クラス全員揃って迎える次巻はどうなるのか。期待。2017/08/22
真白優樹
13
かつての魔王城へ生徒会長を訪ねていく中、突如として幻に囚われる今巻。―――もう一度の景色の中で見せつけろ、この旅行で掴んだ何か。始まりの時間に戻ったとしても、覚えているから、この世界で掴んだ事。過去と現実、笑いのさざめきと少しの羨望が交差し、かつて無くした寂寥の中に温かさが光る今巻。そして、見せて貰えるのはこの旅行を通じて沢木達、生徒達の掴んだものと成長した今の姿。そんな姿が放つ光が闇を越えた先、驚きの事実がそこに待つ。いつか訪れる旅行の終わり、そこに待つのはどんな景色になるのか。 次巻も楽しみである。2017/08/21