内容説明
盗賊の付け火によって千駄木の家を焼け出されてしまった神谷平蔵と妻の篠。ようやく浅草東本願寺裏に[医師]の看板を掲げたものの、相も変わらず閑古鳥が啼く日々だった。そんなある夜、平蔵は数人の侍に襲われていた若い浪人を助ける。傷を負った浪人は成宮圭之助という元水無月藩の郷方廻り。藩主の漁色の餌食になりかけた許婚とともに脱藩し、江戸に逃げてきたのだという。襲った相手は上意討ちを命じられた藩の討っ手だった。さらなる刺客を送り込み、平蔵をも狙う水無月藩。平蔵は茨の道を選んだ若い男女を守るべく敵に挑むが、その戦いの行く手には非情な定めが待ち受けていた……。大人気シリーズ、待望の最新刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
24
藩主の漁色の餌食になりかけた許嫁と共に脱藩した成宮圭之助を、藩主の勝手我儘な上意討ちの為討っ手となった、幼馴染鉢谷甚之介との悲しい物語。 やはり峪田弥平冶とお登勢は夫婦に、新たに岩井平内、一時は成宮圭之助の刺客となった笹川七郎太が加わり平蔵をとりまく人々の楽しいこと。井出甚内さんがご無沙汰のような。2013/09/19
TakaUP48
4
あらら、知らぬ間に平蔵は妻・篠を娶っていた。今回は、好色藩主の餌食になりかけた許嫁と共に脱藩してきた成宮圭之助を巡ってのお家騒動?。前半は、この若い2人の話が中心だが、後半の水無月藩の追っ手藩士と圭之助の幼なじみとの一騎打ちなど動きが速かった。気が焦るほどに頁をめくるほどのテンポだったが、話の締めは最後の1頁一寸に納まったしまった。幼なじみが亡くなったのは残念! 2018/08/09
ひかつば@呑ん読会堪能中
3
許嫁と脱藩し江戸に逃れた若夫婦に色狂いの藩主が追手を差し向け、という話。平蔵がこの若夫婦を助けるのだが、本筋とは別に竹馬の友伝八郎と呑みながら延々と続けるバカ話が面白い。2013/02/04
depo
0
図書館本。シリーズ第14作。上意討ち。2023/05/17
いえのぶ
0
ある藩の藩主が許嫁のいる女性を側女に欲したが、二人はこれを拒否して脱藩した。江戸で暮らす二人に追手が差し向けられた。平蔵らは追手と闘う男を救い、知り合いとなる。2022/10/28