内容説明
ゴルゴ13の秘密に迫る、シリーズ第3弾!
直木賞作家・船戸与一が、劇画最高峰「ゴルゴ13」を描いた最強のエンターテインメント、第3弾!
作家デビュー前、脚本を手がけていた「ゴルゴ13」シリーズの中から、選りすぐりの3話をみずからが小説化。その完結編をお届けする。
新宿区市谷。防衛省統合幕僚監部会議室のモニターに、ひとりの東洋人が映し出された――通称ゴルゴ13。
この伝説的なスナイパーを、日本政府の専属にしたい、と一等陸佐は切り出した。
「わが国の自衛隊は憲法上、攻撃的なことは何も出来ません。それをゴルゴにやらせる」
狙いは、極東情勢の緊張を創り出す者、反日家で知られる米国国防省の重鎮、この二人の暗殺だった。
ゴルゴ13との専属契約はどの国の情報機関もなし得ていない難題だが、その出生の秘密を握ることで契約を結ぼうとする。
ゴルゴ13はワシリー・スメルジャコフの息子である可能性が高い――これを立証するため、調査員はロシアへ飛ぶ。
だが、ここから、血なまぐさい惨劇が始まった!
ゴルゴ13の出生の秘密ははたして暴かれるのか?
真相に迫る者を次々に狙撃したのは誰なのか?
スリリングな展開から目が離せない第3話。
※この作品は過去に配信済みの単行本版の文庫版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
26
定期的に登場するゴルゴ13の出生の秘密を探る作品です。今回はカラマーゾフの兄弟のスメルジャコフと同名のスパイの息子がデューク東郷ことゴルゴ13だとの推定により、日本の諜報部隊が動く。しかし、その謎に近づく気配とともに彼らほ額に銃孔を残し、命を失う。船戸氏の作品としては、もの足らなく感じる。2022/08/14
黒豆
6
ゴルゴ13ノベルズ3作目、出生の秘密に迫るストーリー当然漫画は読んでいて特に飛行機から飛び降り自殺するシーン顔の表情を思い起こした。小説化に適する作品はまだまだあると思うので、期待したい。2017/07/09
Katsuto Yoshinaga
5
劇画ゴルゴ13のノベライズ第3弾。本歌は約40年前の1977〜1978年に発表。本作はゴルゴシリーズで人気のあるゴルゴ出生の秘密モノである。大船戸が外浦吾朗とした関わったゴルゴ出生モノは、本作と「毛沢東の遺言」のようで、ノベライズ化された前2作とは若干趣が変わり、エスピオナージュもの。解説は佐藤優氏でお得意のインテリジェンス解説が楽しい。大船戸が存命であれば、もう一つの出生モノのノベライズもどう今風にリライトするのか読んでみたかった。残念。2017/12/24
まえぞう
4
最後は、かつてシリーズでも人気だった、ゴルゴの出生の秘密を探る作品の一つです。随分と前の話しで、時代を現代にしてゴルゴを語るため、一世代追加されています。そのためか、原作のストーリーをベースに幾分手が入れられています。船戸さんが亡くなってしまったので続きは期待薄でしょうが、原作を何話かコンバインして、アレンジし直したようなノベライズがでれば面白いのではと思います。2018/12/25
Eiji Nanba
2
ゴルゴ13ノベルズ第3巻。読み始めて2時間弱、ほぼイッキ読みにて読了。原作に上手な味付けをして、読み手を飽きさせることがなかった。更に次を読みたいが、著者は既に鬼籍に入っている。残念です。合掌。2019/09/23