内容説明
平成最悪のテロ事件を描く、注目の全三巻。警視庁公安部OBの鷹田正一郎は絶句した。カルマ真仙教元信者の死刑囚が、秘かに五億円もの金を残していたらしい。その大金は、とある貸金庫に眠っているという。死刑囚とは誰なのか。それは教団の隠し財産なのか。二十年の時を経て、鷹田は孤独な捜査を開始する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
396
高杉良のような、取材量に裏打ちされたルポ風の文体。取材も何も本人が直接関係していたようだが、公安サイドのストーリーはどこまでがフィクションなのだろう。上巻はカルマが大きくなり始めて徐々に力をつけ始めた頃がメイン。当時、毎日オウムがニュースになっていた頃を知る身としては、上祐氏をモデルにした人物がまだまったく登場しないことに違和感を感じるが、この流れだと下巻にいくまで出てこなさそう。中巻でいよいよ地下鉄サリン事件に突入し大事になっていく模様。というか、このボリュームであれば上下巻でいいように思うのだが…。2017/12/25
KAZOO
130
濱さんのこの3分冊が全部出たので読み始めました。やはり昔ご自身が経験していらしたこともあるようなので迫力や臨場感が感じられます。上巻は警察庁の公安の情報収集体制について細かに書かれていよいよオウム真理教への捜査が開始されるところまでです。当時は阪神淡路大震災もあった年なのですね。一気に読んでしまって降りる駅を乗り過ごすところでした。2017/12/26
HANA
66
微妙に固有名詞は変えてあるけど、オウム真理教を元ネタにした小説。内容としては警察側、公安側から見たオウム真理教捜査の様子なんだけど…。実録ものとしては面白いんだけど、小説としては微妙か。主人公が有能すぎるのは勿論の事ながら、関係者全員がある意味傍観者的な立場だからこちらも乗り切れない。あの松本サリンの大失態の責任を長野県警だけのものとしてるし。オウム真理教事件をリアルタイムで見ていた身としては、あのどことなく熱に浮かされたような非日常的な日々をどこか懐かしく思い出すが、読んでいるとあの日々を思い出すなあ。2022/10/26
sayan
61
移動中の電車で読了。モデルとなった事件はまだ子供のころだったが未だ鮮明に記憶に残っている。本書は実際に捜査官だった自身の視点をふんだんに盛り込んだ結果、確かにストーリーの細部に至るまで「リアリティ」はある。が、承認欲求、あるいは自己顕示欲が強いのか、主人公の言動が鼻につきだんだんと白けてくる。正直、表計算ソフトを使用する箇所にわざわざ長々とした説明が必要なのか…と本筋とは関係ないところで突っ込みを入れたくなる。ただ、それを凌駕する迫力があり一気に読み進めることができた。中、下巻とそれぞれ楽しみ。2018/04/02
miel
50
日本史に残る史上最悪の事件に関わった著者ならではの緻密さと重厚感で読みごたえある作品。今のところは感想と言えば、主人公が優秀すぎないかと心配になるくらい… とは言え、事件の顛末も知っているわけだし詳細な背景を知りたい欲求は今のところ満たされているので満足。中巻へ。2018/02/08
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