内容説明
最愛のひとは、父の仇だった――吉原での香競べの帰途、秘蔵の伽羅・黒影夜叉を狙って襲ってきた長谷川一馬と対決し、斬られたおりん。絶体絶命のところで真木野左内に救われるも、薄れゆく意識の中で嗅いだ左内の匂いは、おりんに残酷な事実を突き付けた。追い打ちをかけるように、突如、おりんの目が見えなくなる。一方、市中では凶悪な企みが着々と進行していた。江戸が香る話題の書き下ろし、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
7
おりんと左内の悲恋ではなく丁子屋の一方的な悲恋がクローズアップされるとは…。両親の結びつきは陰陽香木による必然だったのね。このシリーズは完結してしまったけれど香を中心に置いたお話は少ないので、桃里主役の続編など始まると嬉しいなあ。カバー絵の花菖蒲は美しいけれどおりんが美しく見えないのが気になる。2018/01/11
天笑院たか姫
5
シリーズ完結編。父の仇の長谷川一馬との対決には、やはり真木野左内が現れ、おりんは、又危ういところで救われる。丁子屋一味の巨悪な企みに、香で報いるおりんたち。結末は、あっけなかった。もっと趣向を凝らして欲しかった。再会まで描いて欲しかった。2017/08/08