内容説明
サンシャイン水族館のミズクラゲの回廊のそばにある扉を開くと、そこは“深海カフェ 海底二万哩”という不思議な空間。そっと入り込んだ僕、来栖倫太郎をいつものように深海(ふかみ)とその執事でメンダコのセバスチャンが歓迎してくれる。今日の客は、八景島シーパラダイスに繋がった入り口からやってきたと思われる女性、真帆。誰にでも意見を合わせ、自分では何も決められない彼女はなぜそうなってしまったのか、それを探りに深海たちは真帆と一緒に彼女の“心の海”に潜ってみる(「クダクラゲシュークリームサワー」)。他に、誰かの宝物を呑み込んでしまったようだ、というデメニギスの相談を受ける(「デメニギスゼリーケーキ」)。うっかりセバスチャン共々、カフェ店内から“心の海”に落っこちてしまった倫太郎が出会ったのは?(「シーフードサンドイッチ」)。日本最古の水族館を調べて、葛西臨海水族園で出会ったのは、「幽落町」にでてくるアノ人だった!(ブレイクタイム アクアミュージアムヒストリー)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
177
いつもどおりの心の宝物を取りにいく話に戻ったなと思ったら、セバスチャンの過去というか正体が、切ないというか、哀しいというか…。知らないこと、知らないふりすることも必要なのかなと、このゆるゆるほのぼのした物語に考えさせられた。1作目から基本的には友情、友愛がひとつのテーマなのかもしれない。深海とシータ…いやシーたん、友情が芽生えるといいね。そして、深海とリンちゃんは真の友情であってほしい。まあそういうことで、いろいろ考えながら、デメニギスゼリーケーキを食べてみたい。2021/05/21
りゅう☆
91
他人の意見を優先する女の子のために「心の海」へ。やれること、やれないこと、助けてほしいことを伝え、相手にしてあげることは大事だよね。深海と混じったことで、深い海の生き物の声が聞こえるようになった倫太郎。ますます深海と距離が縮まったようで私的には嬉しいな。勉強への意味を見失ってた男の子に思い出を返してくれたニギス。彼女に見合うために頑張る気持ちを取り戻せてよかった。大切なセバスチャンとの大事な思い出が消えないために深海が犯した罪。彼の能力の大きさに驚きを隠せないけど、それも含めて絆が深まったことに安堵です。2018/10/07
なな
37
シリーズ3作目。読む度にハマっていく作品です。今回はセバスチャンの謎が明らかになりました。表紙イラストには今まで小さく描かれていたセバスチャンが大きく目立っていて嬉しかったです。正体がわかっても相変わらず可愛いし、癒されます。水族館好きには堪らないストーリーです。深海カフェに迷い込みたいです。内装を想像するだけでワクワクします。最新刊も入手したので読むのが楽しみです。2019/01/30
坂城 弥生
32
セバスチャンの正体が明らかになったのが大きかったかな。あと、シータとも歩み寄れそうな感じ。2020/10/21
ミュポトワ@猫mode
32
図書館本。深海カフェ 海底二万哩の最終巻です。今回も面白くて、かつ泣きそうになりながら一気に読みきりました。やっぱり蒼月海里産の本は、面白くてかつ読みやすいです。おばけ駄菓子屋のときもですが、このシリーズも読みやすかったので、全体的に読みやすいのでしょう。そして泣きそうになるwやっぱり本屋さんに行って漁ってくるしかなさそうですね♪っで、この巻は最終巻らしくホントうまーくまとめてくれました。完全なハッピーエンドです。最後にほっこりして終わるっていう話も良いですね!誰も悲しくない、そんなお話も良いものですね。2018/09/05