創元推理文庫<br> ぼくが死んだ日

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創元推理文庫
ぼくが死んだ日

  • ISBN:9784488515034

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内容説明

「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女に導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語りはじめるのは、彼らの最期の物語だった……。廃病院に写真を撮りにいった少年が最後に見たものは。出来のいい姉に嫉妬するあまり、悪魔の鏡をのぞくように仕向けた妹の運命は。サルの手に少女が願ったことは。大叔母だという女の不潔な家に引き取られた少女が屋根裏で見たものは。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

128
偶然車に乗せた少女に導かれてマイクが足を踏み入れたのは子供だけが葬られてる忘れられた墓地。現れた子供たちの亡霊が、彼・彼女らの最期の物語を次々と語り始めるーーとっても楽しく読めました。翻訳も良かったのか、非常に読みやすかったです。一番印象に残ったのは「没入癖」がある少年のエドガーかな。どの物語もぞっとするけれど、どこか切ない。悪魔の鏡、廃墟と化した精神病院、サルの手など、出てくる小道具もスパイスが効いててゴシックホラー的な雰囲気もありました。装丁も素敵でお気に入りの1冊になりました。2017/05/08

sin

113
真夜中の墓地で僕は若くして亡くなったゴースト達の物語を聞いている。次々に語られるのは深夜映画で観たことのあるアメリカのB級ホラー映画のようなステロタイプの恐怖物語…。でも僕を取り囲んでひっそりたたずむ彼らは真剣に自分の語る順番を待ち構えている。その物語は短いけれど彼らの死の真相を切り取ったダークでディープな身の上話…。僕が死に一番近づいた夜…。2017/03/28

mocha

111
子どもだけが眠る墓地に導かれた少年。幽霊となった少年少女が自分達の物語を語り始める…。時代もテイストも違う10話。導入は正統派ゴーストストーリーのようだけど、奇妙な味の話が多かった。SF風のグロい話はちょっと苦手だったけど、全体的にライトで面白い。まとめ方に温かさがあって良かった。2017/11/17

nuit@積読消化中

104
可愛らしいさかたきよこさんの表紙画とゴーストストーリー!ということで即買い。怪奇小説へのオマージュあり、19世紀から20世紀のシカゴの歴史にもなぞられていたりと様々な時代のゴーストストーリーが楽しめました。良い意味で予想を裏切られたのは、クラシカルな怪奇ものばかりだろうと思いきや、とても魅力的なモンスターも出てきたりと、なんともアメリカ的!YAブックではありますが、大人でも充分楽しめました。2017/04/09

ゆかーん

84
夏の蒸し暑さを涼しくしてくれる一冊。謎の少女に導かれるようにして、真夜中に墓地にやってきたマイク少年。そこには、少年少女たちの幽霊が沢山はびこっていました…。自分たちが死んだ日のことを一人一人語ってゆく姿は、まるで日本の「百物語」を読んでいるかのようです。大人たちに忘れ去られた、幼い子供たちの訴える恐怖体験は、どれも恐ろしいものばかりです…。全員の話を聞き終えた後、マイク少年がなぜこの墓地に誘われたのか、その理由が分かる所に「百物語」のようなラストを感じます。海外のホラー小説も負けず劣らず怖いです…。 2017/08/08

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