内容説明
明治26年、杉山潤之助は、旧知の月輪龍太郎が始めた探偵事務所を訪れる。現れた魚住という依頼人は、山縣有朋の影の側近と噂される大物・漆原安之丞が、首のない死体で発見されたことを語った。事件現場の大邸宅・黒龍荘に赴いた二人を待ち受けていたのは、不気味なわらべ唄になぞらえられた陰惨な連続殺人だった――。ミステリ界の話題を攫った傑作推理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
109
伊藤博文の書生,月輪龍太郎を探偵役とする本格ミステリー。序盤から首なし死体と首消失事件が立て続けに発生。手がかりの乏しい事件に関わる“十六の謎”とは。使い回され度の高いシチュエーションというハンデをものともせず、ワントリックに勝負を賭けた作品。「見立て」「わらべ唄」「大量生産される死体」など横溝オマージュ全開。犯人をロジカルに炙り出し、ラストスパートとばかりに一気に真相が明らかにされる解決編が圧巻!!衝撃的な真相に啞然💦ある仕掛けを見抜くことでシンプルなQED.になるのが面白かった!★4(1巻は未読)2021/05/29
麦ちゃんの下僕
107
[第1回○○荘めぐり⑤]最後は、東京市郊外にある漆原安之丞氏の大邸宅。元はある大名家の下屋敷で、庭園の池に架かる黒い橋を見て山縣有朋(漆原氏は彼の側近)が「黒龍荘」と名付けたそうです。◇2014年刊行の作品ですが、舞台は明治26年の東京。体裁はホームズ風で、わらべ歌に見立てた連続首切り殺人という横溝正史的な事件に、ファイロ・ヴァンスを思わせる名探偵…しかもあの伊藤博文や山縣有朋も登場!という、何ともゴージャスな内容です!真相のあまりのおぞましさも特筆もの!ミステリー各賞の候補となったのも頷ける名作です!!2020/07/26
セウテス
98
【月輪龍太郎】シリーズ第2弾。明治26年前作から9年が過ぎ、月輪は銀座に萬相談所と称す探偵事務所を開いている。事件は黒龍荘と呼ばれる、漆原邸で起こった連続殺人事件である。主人漆原が首なし死体で発見され、わらべ唄になぞらえる様に屋敷の住人が、一人また一人と殺されていく。見事、大胆かつ猟奇的な犯行であり、作中何ヵ所もの違和感に推理を重ねてたものの、全く真相に近付けなく完敗である。ここまで犯罪の構造が見えなかった作品は、現代作品では少ない。真相解明の後確認すると間違いなく推理が可能で、悩み続けた3日間となった。2020/10/12
森オサム
65
月輪シリーズ二作目。なんとも無能な探偵が居たもんだ!。屋敷に滞在しながら同館で連続する殺人が全く止められ無い(何人なのかは目次を見れば分かります)。最後に全ての謎に説明が付き何とか面目躍如となりますが、名探偵とは呼び辛いモヤモヤ感が残りました。ただ、事件の真相は分からなかったので驚かされたし、明治時代を舞台にした意味も有り悪く無かったとは思う。また、法月綸太郎氏の解説が見事なフォローで、作品のクオリティが一気に上がった様な感じがした。なるほどなぁ、評論家として良い仕事ですね。なので、本作は文庫がおススメ。2020/02/15
buchipanda3
45
意外な事件の構図を見せてくれて面白かった。明治の頃を舞台としたミステリ長編シリーズ2作目。政財界の黒幕と見られていた男が首なし死体となって発見されるが、それは始まりに過ぎなかった・・・。序盤テンポよく話が進む。わらべ唄になぞらえた凄惨な事件があまりにもホイホイと続くことに唖然。そして謎はテンコ盛り、見えない動機、どんな収束となるのか先が気になって仕方がなかった。中盤が少々長く感じたけど紆余曲折の推理の末に明かされた真相は大胆不敵かつ最も凄惨なものだった。事件の締め括り方も印象的。続編も読みたい。2017/05/14
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