内容説明
青年二宮金次郎と“百姓論語”を闘わせ鰹節騒動では危うく情事の罠に。とかく学問より俗事に心奪われる伊能隊、再三の“測量中止”の危機を脱し、有望な孤児や人気女形をお伴に江戸へ。忠敬が“人生二山”を生きた江戸後期の、新しい文化の旗手を多士済々に登場させ、人間忠敬とその時代を縦横に描く大作、完結。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
70
既に読友の方々のご指摘にもあるように、本書は忠敬の事績の7分の1を終えたところで頓挫してしまった。「お読みいただいた後に」によれば作者の「個人的な事情」であるらしい。そして、「やがてそのうちにこの小説をふたたび書き継ぐ」といいながら果たされなかった。でも、許す。そもそもが、遅ればせながら井上ひさし追悼の気持ちで読み始めたのだから。「伊能図は開国を予告していた」のは、まさにその通りだろう。長い江戸時代も末期にはその崩壊の予兆と新時代を予告するものは多々あった。伊能忠敬の意味はまさしくその一つだったのだろう。2012/08/26
NAO
66
伊豆に向かう伊能忠敬一行の前に現れたのは、まだうら若き青年の二宮金次郎。百姓のことを本気で憂う金次郎の思考はなんとも近代的だ。ひたすら本を読むだけの堅物のように思っていた金次郎の思いの深さに胸を打たれる。金次郎や韮山代官山所の江川英毅のような、合理的、近代的な考え方のできるすぐれた人物もいるのに、江奈村での鰹節騒動や天文方土御門家の日蝕詐欺など自分のことしか考えない者たちもいる。時代の変換期、旧時代の人々と新時代の人々を冷静に見つめる忠敬は、もちろん新時代の代表者といえる。2019/12/30
てつ
48
伊能忠敬の足跡をたどった小説。長い。きちんと調べて書かれているのだろうが、結局日記をもとにした、連作。小説なので、そう思って読めば面白い。それにしても時間がかかった。2017/09/16
まさげ
18
昨年の5月より読み始めて全巻読み終えるまで1年かかった。史実ではまだ続きがあるのですが…。今年、定年を迎えた私にとって心の支えになった作品でした。2024/05/31
明るい♂
18
やっと読み終えた。 長かった。。 が、めちゃくちゃ未完。 この終わりかたはないわ~(笑) お栄にも再開してないし、夢太郎の話がこれから展開していく所での終わりって。 伏線張りっぱなしで回収せず。 ま、何はともあれ完読できて良かったかな。 忠敬の時代はまだ人生50年かな。 現代日本はそろそろ人生100年時代に突入してるらしい。 「一身にしてニ生を経る」著者の言うとおり、伊能忠敬の生き方は多くの現代人の参考になると思う。 全5巻で構想の7分の1。 完結まで書いて欲しかったなぁ。 井上先生の冥福を祈る。2017/11/19
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