内容説明
――細い三日月の下、その男は橋のたもとに佇んでいた。夜風にふくらんだ長い袖。白皙(はくせき)の頬にこぼれかかる、つややかな髪――。天本の姿だ。しかし、敏生(としき)の喜びは束の間だった。男は敏生に手をさしのべることもせずに消えてしまった。あたかも雲隠れしてしまった月のごとくに――。追儺師(ついなし)・天本と半精霊・敏生。夢のなかの妖しを追って、たどりついた先とは……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
16
獏と共存している河合さん、登場。中々、楽しい御仁だけど頑なに一人を貫く所にハッとさせられます。なぜか知らんが道長と甥の伊尹が権威を掌握せんとしていた平安時代の京都へタイムスリップ。松吉たちの敏生への痛めつけは誰かが助けてくれると思っている者への苛立ちと妬みではないかと思わずにいられません。実際、恵まれた人に対してそう思っている人もいますし、弱いと一気に鬱憤をぶつけられる現状にいるのだと思いました。小一郎はドーナッツの穴の理由を自分なりに考えたりして大好きなのに最後の仕打ちは酷すぎますっ!2012/06/22
瀧ながれ
15
7冊目。天本さんの師匠・河合さん登場。…でもこの人、××××の△△なんですよね。なんとも複雑な心境でしみじみと読みました。は、ともかく、平安京へ飛ばされて、寂しくて怖くて敏生が一人で泣くから、つられてほろほろ泣けてくる上巻です。こいちろが、こいちろがかわいそおだ…(T.T)だばー。2014/03/15
悠
13
また、奇談シリーズに戻りました。 今回は舞台が京の都、安倍晴明も出てきます。 追儺師の天本と蔦の精霊と人の間に産ませた敏生。好きなジャンルのお話ばかりです。ネオ・オカルトってことです。シリーズ6冊目読み終わりました。まだまだ続くんです💦 CDブックは手に入らなかったのですが、他は揃えました(笑) あと18冊ある…楽しみ❢ では土蜘蛛奇談の下巻を読み始めます2022/07/16
ふみ
7
土蜘蛛!きたきた、妖!とテンション高めで手に取った大好きな奇談シリーズ。新キャラとともに、今度の舞台はと言えば・・・・おおう。(嘆息)これだから長編は好きなんです。布石がきくというか、まいた種が芽を出すというか、本書の言葉をそのまま表すならば、尾を噛む蛇のようにぐるぐるとつながり・・・というヤツがたまりません。このシリーズ、たぶん今ではラノベのくくりに入ると思うのですが、歴史や文学の知識がちょっとずつ広がるようなこのタイプは、すごく好みです。本書では、陰陽師とか枕草子に手を伸ばしたくなりました。2017/08/02
草薙香里
7
表紙の蜘蛛がリアルすぎて気持ち悪い笑。ついにタイムスリップまでしてしまいましたな。敏生と小一郎は記憶が有るのに何故森には無いのだろう。晴明の生き返りとしての役割だからかな?龍村先生の先祖も良い方ですね。2012/09/12
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