内容説明
芦原真奈です。今年も音楽祭の季節がやってきたんだけど、この音楽祭は元々明治の頃にお偉方の嫁探しイベントとして始まったもので、今もその名残で、最後の表彰式で壇上に上がった生徒に花束を手渡して受け取ってもらえたら婚約成立なんて困った慣習があるのよね。んで、その音楽祭に法行君がまこたちと組んで出る事に。こりゃ法行君たちの最優秀賞は決まったも同然。つまりそこで花束を渡す事が出来れば法行君と婚約って事。他の連中の花束を確実に排除しつつ私だけが花束を渡せるようにしたいんだけど、保護者や来賓が花束を持ってきたら生徒会を利用しても妨害は難しい。さぁて、どうしたものかしら……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
5
たとえ途中でやめてしまうとしても,やめてしまうことですべてが失われるわけではない.他の道に進んだとしても,そこまでに学んだことは必ず他の道でも役に立つ.最初から全てうまく行くというのは最高であるが,そうでないとしてもそこで再び立ち上がれるのが人間である.2012/01/28
中性色
3
日付登録用。感想は後日2024/02/28
Humbaba
3
努力で到達できるレベルというのは上限がある.ただし,その言葉を言えるのは,限界まで努力した人間だけである.普通の人間はそこまで努力すること無く諦めてしまう.ただし,諦めることは悪いことばかりではない.壁にあたったときに,全ての人間がそれを越える必要はない.超えた先に見える景色が希望に溢れているとは限らないのだから.2011/04/12
Makkusu
2
音楽祭に出る事になった法行がギター娘のまこや声楽の天才の宇乃ちゃんとバンド組んで蕾化を説得する事に。恋やら友情やら情熱やら才やらの巻かな。大騒動も例によってあるんですし愉しいですが、まこや蕾化の関係もそれに重層的に絡み合って、麗しくて感動的な物語が出来上がっています。世界観が神々しいほどの構想力で論理的にも感情的にもきっちり設定されて、最高の女学院舞台。やはり佐藤先生格が違う。物語シリーズにも引けを取らぬの群像劇。傑作です。2017/04/17
Humbaba
2
自分の行動が他の人の将来を変えてしまうかもしれない。それは普通の人間が背負うには重すぎる責任である。誰もそんなことを言っていないとしても、自分がそれを実感してしまえばそこから逃れることはできない。そして、そんなプレッシャーを抱えながら普通に行動できるほど強い人はそう多くない。2016/06/20