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内容説明
水木貸本漫画の中でも圧倒的な人気を誇る、大名作「カッパの三平」の原点となる作品!美しく幻想的な絵、貸本ならではの絵画的な世界! しみじみと泣ける結末、水木ドラマの真骨頂!(上下巻の下巻)「水木しげる漫画大全集」-半世紀以上にも及ぶ漫画家生活初の集大成。「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「河童の三平」などの代表作から、貸本時代、風刺、戦記など様々なジャンルに及ぶ水木しげるの漫画作品を、京極夏彦責任監修の元、完全網羅。最新デジタル技術を駆使し最高画質を達成。第1期33巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
17
絵がだいぶ僕の知っている河童の三平になってる(笑)何回読んでも最後が悲しい感じで。月報に書いてあったけど原因は出版社とのいざこざなんですね。残念。2013/08/05
ぐうぐう
14
河童に死神、小人が出てきたかと思えば、喋る狸、そしてついには天皇陛下までが三平と絡んでくる。妖怪と天皇を同列に登場させる、この大胆さは、水木しげるの自由さの表れだ。自由といえば、第八話において、いきなり主人公の三平が死んでしまうのにも驚きだ。さらには、死んでなお、お構いなしにストーリーが進行していくことにも。この自由さこそ、水木漫画のおもしろさの源だ。2013/08/19
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
13
上巻を読んで待ちきれなくなり、ちくま文庫版を読んだ後にこの下巻を読んだ。私は貸本版を有り難がる気持ちは無い。絵に不思議な味わいはあるが、やはり醜悪な所がある。ちくま文庫版は『ストトントノス』の部分以外はほぼこの初出通りだとわかった。解説は池澤夏樹の娘・春菜が書いているのだが、内容に同感。本当にその通り。相変わらずタヌキがかわいい。2013/09/27
∃.狂茶党
3
当初の構想はよくわからないが、版元との金銭トラブルで打ち切ったようで、いささか唐突な幕切れを迎える。 のちの水木作品にたびたび登場する死神(解説にあるようにねずみ男とも近い)や、ねこ娘的な魔女、大胆なデザインのたぬきなど、キャラの存在感が非常に強い。 これらはもっと活躍する予定であったのだろう、謎が出されてもほったらかしなのは、打ち切ったのも一因だろうが、見せ場で繋ぐスタイルであることも関係している。 終盤、タイトルの意味が明かされるので、結末だけは予定通りであったと思われる。 2021/10/28
歩兵
2
池澤春菜の解説「なんか変」は言い得て妙だなぁ。悲惨な目にあっているのに、悲劇的に描かずに飄々と受け入れてストーリーが進んでいくのがとても奇妙。地獄に行くのに電車に乗るし。割りと辛辣なくせに淡々としているキャラクター同士のかけあいが面白くてそれもまた奇妙な世界を増幅している。2013/10/21