わすれて、わすれて

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わすれて、わすれて

  • 著者名:清水杜氏彦【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 早川書房(2016/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152096395

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内容説明

この荒廃した世界では、理不尽な暴力で大切な人を奪われることもしばしばだ。強盗に妹と両親を殺された少女リリイは、「リリイ・ザ・フラッシャー」と綽名される、早撃ちで有名な国一番の銃の使い手。そしてその親友カレンは、記した事柄を忘れることができるふしぎな本〈ダイアリー〉の持ち主だ。その本は、クリニックを営むカレンの家に代々伝わるもので、医師だったカレンの祖父や父親によって、忘れられない辛い記憶に苦しむ人々のために秘密裏に使われていた。しかし、クリニックを継げなかったカレンの叔父が、〈ダイアリー〉を狙い、悪い仲間を集めて父親を殺してしまった。幸い〈ダイアリー〉は奪われなかったが、復讐を誓ったカレンは、リリイを用心棒に誘い、大型バイクに二人でまたがって、国の各都市に散らばった、父を襲った犯人たちを探す旅に出る。ひとりずつ憎い仇を痛めつけ、〈ダイアリー〉を用いて仇の復讐された記憶を消すのだ。そうすれば、そこで復讐の連鎖は途切れるはず、だった……第5回アガサ・クリスティー賞と小説推理新人賞、ダブル受賞でデビューした超大型新人が描く、ふしぎなダイアリーをめぐる、少女二人の復讐ロードノベル。受賞第一作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

散文の詞

71
少女たちによる復讐ノベルです。ジャンルとしては、SFミステリーって感じですかね。 詩のような文体は、サクサク読めるし、つまらないってわけではないのですが、そのせいか、雰囲気や世界観が伝わりにくいです。 しかも、明らかにおかしいような部分もあり、SFなのだから、仕方がないとでも言うのでしょうか。 エピローグがあったので、復讐に対する答えでも書かれているのかとおもっていたら…。 ジュブナイル向けですかね。 2020/03/31

ゆかーん

64
両親を殺され、復讐を誓う少女リリイと同級生のカレン。記憶を消せる魔法の本を片手に復讐の旅をする二人は、4人の殺人者の追跡を開始します。殺人を犯し記憶を消し、また殺人を犯すをいう、負のスパイラルを繰り返す二人。嫌な過去を忘れようとするほど、苦しみは増すばかり…。過去の記憶を消す事は、辛いことも良かった事も、全ての記憶を無かったことしてしまう行為…。それを分かっていながらも、復讐を繰り返すのは、大切な人を失う悲しみに勝るものはないから…。終わることのない復讐劇に走る二人の姿が、読んでいて辛いです。2016/12/09

きっしぃ

47
書いたことを忘れられる魔法の本。その本をめぐり両親を殺されたカレン、そのカレンの復讐に手を貸すリリィ。止まらない復讐の連鎖と殺伐とした世界は前作「うそつき、うそつき」よりも救いがないように感じた。忘れることで、復讐することも忘れられたらよかったけど、それは本人じゃないから言えること。相手の記憶は簡単に消してしまえるかもしれないけど、自分の記憶を消すことはとてと怖いことだと思った。どんなことも自分を形成してる、あっても私にはきっと使えない。2017/03/16

harass

43
治安が悪化した社会、記憶を消すことの出来るノートを持つ少女は、ガンコンテストで有名な少女と復讐を果たす旅にでた。順調に復讐相手をこなしていくのだが…… 前作と同じような童話のような文体と無国籍な世界観は相変わらず。喪失感がやるせない。だが雰囲気はいいんだが物足りなさを感じてしまった。抑えた筆致はいいんだが抑え過ぎるような印象。もどかしいなあ…… 好みではないということかも知れないが。2016/11/25

まー

33
書いた内容を忘れることができる魔法の本、それをめぐって家族を殺された少女と友人の復讐。復讐の連鎖が起きないように、本を活用しながら復讐は進んでいくはずだった…。忘れることは救いなのかな。忘れたいくらい苦い思い出はあるけど、忘れること前提でいくら相手を傷つけてもいいと思うのは違う。これも葛藤の物語だけど、個人的には『うそつき、うそつき』のほうが好き。2016/10/07

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