内容説明
関白に昇りつめた秀吉は豊臣姓を賜り、政権基盤を確固たるものにした。目前に迫った天下統一を成し遂げるため、いよいよ九州征伐に乗り出す。だが、差し向けた長宗我部・十河・大友連合軍が島津軍に予想外の大敗を喫する。徳川家康の懐柔にも手を焼く秀吉は思わぬ窮地に陥るが、その時、驚くべき決断を下す。梟雄の岐路を鮮烈に描く白熱の第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
24
大陸への進出も計算に入れつつ、九州を征した秀吉は、東国の制覇に乗り出す。有形無形の力により、最大勢力の家康を臣下に置き、独占する金山銀山、南蛮との貿易による膨大な富を惜しげも無く振りまき、茶の湯と数寄というステータスを武門の社会へ渇望させる事で、蟠踞する大名のシンパシーを集める。その一方で検地、刀狩により、身分の固定と武士以外の庶人の戦闘力を奪っていく。天下というシステムは、北条早雲より代々東国を総べてきた事だけを拠り所とし、時流を読めず抗い続ける北条を下し、秀吉の天下は一統する。2014/10/03