内容説明
我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二~三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。巻二十二~巻二十四。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
藤原氏の転換期を軸に様々な物語がおさめられています。新しい価値観と行動力で激動の時代を生き抜いた強さに歴史を感じました。2024/01/28
テツ
28
「今は昔」で始まる物語(説話か)の数々。平安時代末期の世界の在り方もきっと現在と変わらない。時代が少しばかり動いたってきっと人の中の喜怒哀楽は変わらない。因果応報を描いた果てに、人間はどう生きるのか、どうしたら救われるのか。救いの形は時代や場所で様々あるだろうけれど、やっぱり人間は救われたいんだろうなと仏教色の強いお話を読んで改めて思った。抹香臭くないお話も単純に面白いですよね。プライベートで読む古典は面白いんだぜと声を大にして言いたい。2019/04/26
きょちょ
23
今昔物語集は全三十一巻になるそうで、本朝(日本)世俗篇は二十二巻~三十一巻にあたるらしい。本朝世俗篇だけでもちゃんと読むのは今回が初めて。平安時代、仏教が盛んであったことが改めて理解できる。旦那より力強い妻の活躍や、名医で好色な爺に言い寄られうまく立ち回る女性の話は痛快。僧を送り迎えする統率された武士を描くところは、この時代に台頭してきた武士の凄さを語っている。また「褒美」に自分が着ている着物を差し出すことが多く描かれ、この時代の世相がうかがえる。 総じて明るく活き活きとした人間が描かれている。 ★★★★2017/10/28
fseigojp
22
電子版があるのが嬉しいかぎり 福永武彦のそれは電子版なし2017/05/22
たまきら
21
絵本のシリーズが面白いので、始めてきちんと読んでみました。短編集がたんまり入っていて、色っぽいのからホラーまで、活きの良い昔の日本人の姿が伝わってきます。これはきちんと目を通したい!文庫じゃなくて、現代文と原本が並んでいるようなの探して購入したいなあ!2017/05/19




