内容説明
我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二~三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。下巻は巻二十七~巻三十一。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
説話のような語りで霊鬼奇譚、悪行譚、権威を笑いに。の本の逞しさを描いているようでした。人々の姿がユーモラスで面白かったです。2024/01/29
きょちょ
27
面白い話がいっぱい。 男女の悲哀の話を読むと、いつの時代でも絶対変わる事のない「人間性」があるものだと感じた。 霊や鬼、神の話も多いが、当時の人々が、自然科学の発達した現代にタイムスリップしたとして、同じように霊・鬼・神を信じるか・・・私は絶対信じ続けると思う。 現代でも自然科学で解明されない事は多々あるわけだし、それを彼らは霊・鬼・神の仕業と考えているわけで、何よりも我々よりも自然と共生していたわけだから。 上巻も含め、人間が活き活きと描かれている作品が多い。 ★★★★2018/01/20
fseigojp
26
阿刀田の エロスに古文はよく似合う も参考に いやあ説話の世界はアッケラカンでいいですねえ2017/05/22
たまきら
14
読みたかった話が上巻にあったためこちらはすこし斜め読み。あと、もっと違うデザインのを購入したくなってきたので気がせいているみたい。さあ、リサーチ開始だ!楽しみ楽しみ。2017/05/20
ちあき120809
3
講談社学術文庫なので、原文→現代語訳→語釈→解説という構成を期待して購入したのだが、本書は、現代語訳→注釈というシンプルな構成となっていたのが残念だった。内容としては、意外と生々しい話が多い印象。『大和物語』や『俊頼髄脳』といった他の作品を原典とする話も多く、正に"説話集"であるのだが、原典から学ぶ処世術がエピローグとして付されているのが特徴的。野次馬心や短気は身を亡ぼすと読者を諫める説話の数々はなるほど解説にある「かしこさの文学」というのも頷ける。それにしても、何事も前世からの宿世であるのか……。2020/10/31