内容説明
勇猛・勝頼vs.冷厳・信長。 欲、慢心、疑心、嫉妬、執着…一点の心の曇りが勝敗を分けた!
破竹の勢いの織田信長を阻止するため、武田勝頼は石山本願寺法主・顕如、さらに西国の太守・毛利家と手を結ぶべきであった。しかし勝頼は信玄の遺言を無視し、亡き勘助の側近さえも退けてただ邁進する。長篠城の攻防、設楽ヶ原の決戦の勝敗を分けたものは何だったのか? そして、帝に退位を迫り神仏をも畏れない織田信長が明智光秀に本能寺の変を決意させた所業、さらには上杉景勝の軍師・直江兼続が武田勝頼から対織田決戦への「援軍不要」の言質を取る“神算鬼謀”ぶりが大胆に描かれる。戦国の武将たちを突き動かす欲望、嫉妬など人間の業を鮮やかに浮かび上がらせる傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
11
2007/3/23購入。 2011/1/14~1/18 高天神城を落とした勝頼であったが、まんまと信長らの策にはまり甲斐の領国経営にも支障をきたし始める。一方の信長はたびたびピンチを迎えながらも奇跡的に切り抜けどんどん勢力を伸ばす。謙信亡きあとの処置を誤った勝頼は滅亡の道を歩み始める。 これまで武田氏を中心とした時代物は読んでいなかったが、さまざまな視点から戦国時代を眺めると、人生を生き抜く上でどういう判断をするのが良いのか、ということに対する様々な示唆が得られるな。でもこうやって流れを見てみると、ほ2011/01/18
スー
8
遂に完結。長かったぁ~。武田家の最後は空中分解の様に砕け散ってしまった。やはり勝頼が上杉景勝の味方になったことで北条と手切れになったのが武田家滅亡の原因とされていました。小説なのでどうやって勝頼を景勝が味方にになるように口説くのか興味があったので楽しみでしたが、直江兼続の秘策に驚きました。それは流石に創作だと思いますが。あとはすべてを見抜き確実に一手を打ってくる織田信長が凄すぎる。しかし、主君兼軍師の信長には諌める人が居ない為に驕り討たれる事に。驕れる者は久しからず。2016/11/19
カミツレ
2
この下巻で際立つのが、武田勝頼のバカ息子ぶりである。「アンタそんなだから、信玄父ちゃんが『わしの死を三年隠せ』って言うんだよ!」と言いたくなる。家臣たちは実際そんな気持ちだったろうし、それでも勝頼をかばって家臣たちが討ち死にしていくシーンには胸がつまされる。そして終盤は、本能寺の変が来るか来るかと思いながら読むのだ。信長が京へ向かうと決めたシーンでは「本能寺キターー」の心地である。が、信長サイドで直接書かれておらず、離れてそのときを迎えた者達のドタバタぶりで間接的に書かれてる。
Henly
2
信長の英知に勝てず・・・・2010/09/05
忍者千乗りの門戸開放
1
別管理していた読了リストより転記