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内容説明
作家を志す文学青年の帝大生・小林秀雄にとって、
まだ18歳の天才詩人・中原中也の存在は脅威となった。
その天分に嫉妬を覚える秀雄は
中也の恋人・長谷川泰子に強く惹かれていく…
一方、二人を結びつけた詩人の富永太郎は
持病の結核が悪化して、死を迎えようとしていた。
次第に重くなる病状の中で中也の心は乱れて…
文学という狂気と孤独の世界に身を投じる
若き中也と秀雄の、胸を打つ青春ドラマはヒリヒリと
痛切なものに転じていく!
事実を基にフィクションを交えて描き出す
『彼女とカメラと彼女の季節』月子氏の新境地第2集、堂々登場!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
24
中也の才能に嫉妬し苦悩しながらも中也との関係を切れない小林。そんな中で、小林はいつしか中也の恋人、泰子と逢いびきを繰り返すようになる。また一方、中也に詩というものを教えた兄的存在、富永太郎が結核に倒れる。小林が富永を見舞った時に、富永から語られた中也の詩、私がもっとも中也ららしいと思う「夏」には、やはり、何度読んでもぞくりとさせられた。後半は小林と中也と泰子の三角関係に…。泰子に向けた「湖上」も素敵な詩…。泰子の心は中也と小林、どちらにあったんだろうな…。次の巻も楽しみ。2016/05/25
星落秋風五丈原
20
映画『アマデウス』のモーツァルトとサリエリを見ているよう。そしてこの間に女性が絡んでややこしくなる。秀雄の妹が泰子に「他の柿をほしがらないで」とやんわり言ったりこの人も教養ある人ですね。後に小説家になる大岡昇平登場。可愛い。2016/04/30
かやは
7
世界のできごとを自分の中に取り入れて、味わって、反芻して、消化して、言葉にして吐き出すのが詩人。自分自身だけで事柄を味わい尽くせるのは、スマホが無ければ時間を持て余してしまう人が多い現代人からしたら、羨ましい限りだ。2016/11/11
イーダ
6
やはりこの作者は人の心の揺れ動きを描くのが上手い。小林、中也、泰子、これからがどうなっていくのか見逃せません。オマケの4コマもいいですね。2016/04/25
なつか
5
中也と小林の共通の友人、富永の余命が…という状況で、素子と小林が接近もあり、人間模様が見逃せない巻。「お前が詩人になれたのは、弟の死があったからだ。日常に悲劇がないと書けないのだ。」というくだりは、詩人の業を感じさせるやり取りで深く抉って来ます。2016/05/07