内容説明
生命と同等の価値のあるものを盗む“ペイパーカット”の予告状が投稿サイトにアップされた。手品の動画の一場面だった。サーカム保険の調査員・伊佐俊一と千条雅人は演技者を訪ねた。だが、そのマジシャンはペイパーカットの秘密はいただくという不敵な宣言を残し姿を消す。やがて男は密かにマジックショーを企画。狙いは何か? 浮上する伝説の歌手との因縁……。謎の怪盗と男の関係は? ライバルの女手品師、トリック作りの天才少年も巻き込み、世紀のマジックショーの幕が開いた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
28
Trick or Treat?今回はこの一言に尽きた。上遠野さんの中では比較的読みやすいシリーズ。このシリーズで一番好きなのは、みなもと雫の歌。毎回ハッとするような痛みのある歌詞が印象的です。この物語をつかさどる、花の亡霊の様な彼女はどんな役割を持ってこの世界に現れるのか、飴屋さんの無限試算の結果に出される答えは一体何だったのか、トリート先生の手にしたものは人に在らざる魔法の力なのか、それともただの幻惑なのか、試算の答えは私には出せそうにありません。あきらめて甘い甘いキャンディーを一つ、差し出します。2012/02/17
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
15
手品師にとって命以上に大切なものは当然トリックなんだろうなぁという単純な予想を斜め上に裏切っていつもの面白さだった。2011/08/25
眠る山猫屋
15
博士でたっ(笑)こんなとこにも… マジシャンたちの確執がなかなか興味深い。マジックのタネを巡る駆け引き、なるほどねぇ。今回はちょっと余談って感じの展開でしたが、最後の最後になって、怪盗と探偵の問答が本筋に引き戻してくれました。トリート先生、また出てくるかなぁ。ブギーポップ本編に登場したりして。2012/02/13
神太郎
13
今回はマジックにまつわるアレコレ。ペイパーカットは伊佐に何を求めているのかそれが気になる回ではあったなぁ。伊佐がペイパーカットに求めているものは何となくわかるが…。みなもと雫もいろんな端々で影響力があってなかなか面白い。いつもの上遠野さんって感じの内容。若干の進展が見られたかな?2017/01/09
ダージリン
12
飴屋と素子の結果にハテナマークが飛びましたが、そういう発現の仕方もあるんだと納得。今回はトリート先生が気になってしょうがありませんでした。こういう皆が見えないことまでわかってしまう人には憧れてしまいます(笑)。そして千条と伊佐、そして奈緒瀬の会話は、やっぱりラブリーだと思います(笑)。2011/08/23