内容説明
大家族・藤川家の三つ子で五男の九重に彼女ができた。それが騒動の始まり――。一方、遺言代行業にはあいかわらず謎めいた依頼が次々と舞い込む。「私を殺してください」と残して事故死した30歳の主婦、小学校の屋上近くの踊り場から転落死した小学六年生、身寄りがなくアパートで孤独死した50代男性など。残された思いに寄り添いながら藤川カンパニーの日々は続く。シリーズ、衝撃の第3弾!
目次
第0話 漂流のまえぶれ
第1話 透明人間への遺言
第2話 スペアの遺言
第3話 小さなスパイの遺言
第4話 愛の遺言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
42
タイトルからほっこり系を連想するとそのリアルさに裏切られる家族の物語。藤川家は遺言代行業を生業とする。縁や因果を踏襲した遺言、人には必ず伝えたい意思がある。生前それは秘密かもしれないが、没後遺言代行によって再起動し、依頼人を巡る家族のドラマが露わになる。当の藤川家の家族構成は複雑だ。父が同じ6人の異母兄弟、その父も仕事で海外を飛び回り不在だ。だがその複雑な環境があるからこそ、遺言に潜む真の思いを親身に受け止め、代行する事ができるのだろう。特に主人公七重には幸せになって欲しいので、次のファイナルも読みたい。2019/03/06
ゆきちん
33
藤川家族③母親の違う7歳から30歳まで7人の子どもたちで暮らす藤川ファミリー。家族で力を合わせて遺言執行業を営む。今回は高校生の三つ子、九重の彼女が妊娠。六郎が堕ちたりし、遺言業の方もテーマ重めでずっしりめ巻。長男シズオの明るさと七重の頑張り(ときょうだいのチームワーク?)で乗り切った感じ。そして続きが気になるよぅ〜2016/07/01
み
23
今作は(@_@)次作が気になります。子供を産むってのは大変よね、経験がないから耳知識だけど。2016/12/02
陸抗
22
九重に彼女が出来たと浮かれていたら、とんでもない爆弾になってしまった。今回もまた、家族の在りかた、親ってどんな存在なんだろうと考えさせられてしまった。美晴も、今側に居ない人達の事は忘れて、周りにいる大切な人に目を向けれるようになれば、もっと楽になるのに。簡単に出来ないから、苦しんでるのは分かるけど。六郎も、いつまでも兄弟に甘えてないで、自立しろと言いたい。2019/06/02
libra
12
藤川家第3弾。今回は九重の彼女の妊娠を中心にいつもの遺言代行業に取り組む藤川家の面々。高校生の彼女の妊娠、、、1巻の装丁が昔のホームドラマのようなほんわかした印象を受けて読み始めたけど、回が進むにしたがってテーマが重くなっているような気がする。読者としての「四寿雄」評は他の兄弟と同じで「だめだめ兄ちゃん」だけれども、中絶が話題となって深刻になりがちなテーマでもゆる~い気持ちにさせられるのは彼のパーソナリティなんだろうな。前作から2年経過しているのでてっきり最終巻と思いきや、気になる続きかた。2016/05/02