内容説明
定年間近の石神井署の刑事・片倉康孝は、孤独死した小切間清という老人の捜査を担当する。が、部屋には身元を示すものは何一つない。さらにスーツケースから古びた白骨死体が発見される! 部屋にあった写真の女か? 遺留品をたよりに柳ヶ瀬に飛んだ片倉は、女が舞台女優だったこと、小切間清が伊勢湾台風で亡くなっていたことを突き止める――。哀切さが心に沁みる傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
162
片倉刑事シリーズ1作目。定年間際の片倉と新米刑事・柳井のコンビは、アパートの一室で孤独死した老人と、一緒に発見された20年以上前に死んだと思われるミイラ化した遺体の身元捜査を始める…柴田さんの他シリーズに比べると「同じ作家さん?」と思うほど地味に感じるが、これはこれで悪くない。災害に苦しめられた女性の一生を丹念に追う片倉たちが、人生の機微を掬い上げる丁寧な展開で味わい深い。生まれる前で知らなかった伊勢湾台風の脅威も知れて、大自然に翻弄される人間の哀しさを改めて考えさせられた。2作目にも大いに期待したい♬2021/04/19
いつでも母さん
111
【再読】つくづく自分が嫌になる。読みながら何処かで読んだような記憶が蘇ってきたのだ。文庫のカバーに惹かれたんだろな(汗)離婚して定年間近の刑事・片倉の地道な捜査により、孤独死した老人とその部屋から見つかった身元不明の白骨死体の謎を解く。老人は別人で、白骨体は舞台女優だった。長く複雑な人間模様、それはタイトルが云う光と影だ。片倉自身も人生の黄昏に差し掛かり思うことがある。そうさ、人は一人では生きてはいない。「どんなに長年連れ添った女でも、終わりにしたいと思うことがある・・」なり替わった男の言葉が虚しい。2016/03/29
KAZOO
110
この作者さんは初読みです。今までのほかの警察・刑事ものの作家さんとは作風が若干異なる気がしました。そんなに派手な感じはしないので私には比較的合うような気がします。堂場さんや誉田さんも最初の頃に比べて、という感じが最近するのでこの柴田さんの作品を少し読もうかという気がしました。2017/11/28
はつばあば
72
死んでいた人は誰?。白骨になっていた同居人は誰?。伊勢湾台風を題材にした犯罪物は、作者を忘れてしまったが以前読んだ気が。それでも柴田さんの書かれる本にぐ~っと引き込まれる。刑事と同じように、白骨のままでは浮かばれない美しい彼女は誰?と考え探させる。派手さのないストーリだがこれだけ自然の猛威と都会の無関心に囲まれていると、私達もいつ「名無しさん」となるかもしれない。続編「砂丘の蛙」は哀しいかなまだ文庫にならない。私にとって安定した作家・柴田さんにはもっともっと書いてもらいたい2016/10/12
Yuna Ioki☆
52
1445-141-48 ミステリではあるが犯人当てではなく孤独死をした老人とその部屋にあった白骨死体の二人の身元の調査。次々と浮かび上がる時効済の犯罪と災害による混乱した情報を地道に捜査。地味で盛り上がりもないままに結末へと向かうのだがなかなか面白かった(*´∀`)期待しつつ続編を読みます( ー`дー´)キリッ2016/05/21
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