内容説明
平安時代から連綿と続く旧家・大導寺家。一人息子の静音は、毎年恒例の虫干し行事のさなかに奇妙なノートの束を発見する。大導寺を名乗り、大導寺の家系図にない謎の人物が記した「探偵記録」。それは、大正時代に一族を滅亡の淵にまで追いつめた殺人鬼がいたという恐るべき事実を語っていた――。しかし、それは過去の出来事ではなかった。次々におこるノートの記述と同じ奇怪な出来事、殺人鬼は現代に甦り、ふたたび大導寺一族を滅ぼそうとするのか? 著者渾身の傑作探偵小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
53
大正と平成を繋げる艶やかな血染めの縁の糸。名は呪であり血も呪であり、今此処に在る己等は全て、連綿と続いた赤い水筋の最先端に立つ生きた歴史書である。嗚呼神よ、感情と欲望と不平等な運命を与えたる者よ。汝は人間に斯様な地獄を見せ、人間から何を見つけ出そうと思いこの世を人間で満たしたのだろうか。大導寺家のような名家でなくとも、人の世が続く限りその血はまたその次の子に遺り、熱情に身を焦がし、そうして最期に強く香り立っては溢れ滴り落ち、また何時か何処かで次の血に繋がり交わり、再び無残に散る罪業を何度でも繰り返すのだ。2016/08/03
藤瀬こうたろー
26
すっかり話の筋は忘れてしまっていたが、昔、すこぶるハマって読んだ記憶があり、久々に読み始めたらあっという間に読み終えてしまった。題名のとおり、大正時代、大導寺家という名家の跡継ぎを巡って正室の子、愛人の子が次々と殺されてゆく。愛人の子の一人、大導寺響太郎はその経過をノートに記し、平成の世にそのノートを発見した大導寺静音の周辺にも変事が相次ぐ。時代を超えて起きた二つの事案の真相や如何に?著者も書いているとおり、乱歩、横溝、大正浪漫、美青年、背徳の香り、名家の宿縁…そのエッセンスが見事に詰まった秀作だった。2026/01/25
Lumi
14
大正ロマンと旧家一族のドロドロした雰囲気。 私はこういうのが大好きなので読む前からワクワクでした。 栗本薫さんの作品は初めて読みましたが、 どこかで聞いた通り、『ヤオイ』?っぽいかんじもありました。 文体があえて少し昔っぽく、慣れなくて読みにくい感じもしたけど雰囲気が出ていて素敵でした。 シリーズ読み進めるのが楽しみ。 あと、最近の小説の表紙はアニメとかみたいな感じのイラスト?が多い気がするのですが、これは作品の雰囲気にあっていて好きです。こういうキャラクターのイラスト?とかじゃない表紙増えればいいなぁ2017/11/24
kagetrasama-aoi(葵・橘)
5
六道ヶ辻シリーズの第一作目。平安時代から連綿と続く”大導寺一族”の興亡を描くお話。現代と大正時代が交互に語られて、それぞれに事件がおこり……。こういう趣向大好きです。そして大正時代のノートは文語調入っていて、流麗でほんと文章にも堪能致しました!殺人事件の犯人あてよりも、”響太郎”の目を通してのあの時代の(勿論栗本氏の創作だとはわかっていますが)息吹や彩りに圧倒されページを捲る手が止まりませんでした。そして雪彦の心情があまりに切なくて涙いたしました。2017/04/05
pomota
5
一族の秘密を記した書物を入手したときから、誰かに狙われはじめた主人公。しかし話の中心は大導寺響太郎だったなぁと思う。呪われた出生の秘密により、大勢の人々が犠牲になっていく様は哀れで仕方なかった。過去の結末は良かったが、現代の結末はオマケ的な感じだった。2012/12/01
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