角川文庫<br> 六道ヶ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇

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角川文庫
六道ヶ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇

  • 著者名:栗本薫【著者】
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • KADOKAWA(2016/02発売)
  • おトクな週末2日間!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~5/12)
  • ポイント 125pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041500590

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内容説明

廃校となった良家子女の教育機関・青渓女学院。その取り壊し作業が進められる中、現場からはあいついで白骨化した死体が発見される。死亡推定年代はおよそ40年前の大正時代。今や追及するものもいない死、しかしそれは、呪われた血が招いた恐るべき結末だった。かつて青渓女学院に学び、クラスメートと激しくも甘美な恋に堕ちた大導寺笙子、その存在は大導寺の家系図からひっそりと姿を消していた。数十年の時を経て発見された彼女のノートは今、封印された大導寺の惨劇を語り始めた――。六道ヶ辻シリーズ第2弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カナン

52
「少女は全て、美しい時に死ぬべきだし、美しくない少女は存在してはならぬのだからそれこそすみやかに消滅すべきであるのだ」。全てはこの一文に凝縮されている。大導寺家の記録からその存在ごと消された少女、笙子の日記が見つかったことで永遠に秘されていたはずの清く美しい狂気が息を吹き返す。摩由璃という大輪の薔薇に愛されることへの憧憬と妄執。それが果たして恋慕であったのかどうかすらさえ、彼女が少女である限り問う意味など無い。さぁ、ゆこう。鴎外が描いた「舞姫」のウンター・デン・リンデンへ。私の、いいや僕の、可愛い菫の花。2017/10/07

Lumi

16
大正時代の良家の娘が通う女子校が舞台。 百合でした。当時の言葉で『エス』というしい。 広辞苑で引いたら載ってた(笑) 私には少し濃すぎる同性愛の小説でした。 普通のミステリーかと思ってた。 この方がかかれる小説には必ずそういう要素が含まれるのかな?シリーズ前作もそうだったけど。 でも、少年少女という若さは皆美しく、老いてしまう前に死ぬべきという考え、なるほどなと思った。 確かにいつまでも若くありたいし、私は介護されてまで生きたくないなぁ。2017/11/28

幸音

14
シリーズだけど2作目のこちらをおすすめされて初・栗本さん。大正時代の女学院で伯爵家分家の令嬢・笙子は誰も寄せ付けない学院一の美女・向後摩由璃と交換日記を交わすことに。最初は初々しく少女らしい姉妹の関係がある事件をきっかけに変貌する。純粋な思慕からまるで導かれるようにエスの関係になり、耽美な愛に溺れていく様が美しくどこか神秘的だった。「少女は全て、美しい時に死ぬべきだし、美しくない少女は存在してはならぬのだからそれこそすみやかに消滅すべきであるのだ」という一文がこの作品を最も端的に表している。2013/09/07

愛迷もこ.

9
笙子と摩由璃の二人を最初は微笑ましく見ていたが、どんどん不穏な空気を纏っていく。平凡な同級たちは、その誰も寄せ付けない関係に甘美な羨望を向けると同時に、畏怖を抱く。妖しげな魅力で人々を引きつけた彼女たちは、悪魔のような復讐と歪んだ理想郷に踏み込む。耽美でダークな重厚な世界観がすごく私好みでした。ただ、最後に淡々と語られた弟への仕業に、本当に狂ってる…と思わざるえなかった。この件は必要だったのか?抵抗もなくこんなことをしてしまえる程に男という人種を憎んでいたのか、と摩由璃の後ろ暗い過去から邪推してしまう。2012/09/22

kaizen@名古屋de朝活読書会

7
栗本薫の女学園物。 大導寺一族のものがたりの、「大導寺一族の滅亡」に続く、第二作。 独立した物語であるので、第一作を読んでいなくてもよい。 大導寺一族の不思議な巡り合わせは、恐怖小説でもなく、幻想小説でもないのかもしれない。 文化と風俗を描写している。2012/01/13

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