内容説明
3.11後の日本をどう生きるか――
渋谷陽一氏の司会で、国内政治をテーマに二人の論客が対談するシリーズ第二弾。2010年11月から2012年2月にかけて、東日本大震災をはじめ、沖縄基地問題、橋下徹論、原発問題、天皇制、経済成長、民主主義などを語り合った。
<わたしたちは、やがて、いなくなるが、わたしたちの後から来る人たちのために、「ニッポン」さんには、まだまだ頑張ってもらわなきゃならない。そのためにどうすればいいか。わたしは、ない知恵をふりしぼって考えてみた。みなさんが考えるためのヒントに少しでもなれば幸いである。>高橋源一郎「文庫版のためのあとがき」より
※このコンテンツは『どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?』(2012.6 ロッキング・オン刊)を改題したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
51
なんだか世の中のいろんなことって、一本の線でつながっているんだなあ。自由教育の記述はすごーく興味深かったので、自分でも調べてみよう。2016/01/21
おさむ
42
両巨匠(おばさん的おじさん)の放談会。ぽんぽんと知的なキャッチボールが繰り広げられます。戦中派の思考の根本にあるのは「人間は簡単にこわれる」こと。日本の近代の男性モデルを示した夏目漱石。ナウシカの風の谷は21世紀の日本のモデル。山口県の祝島が示すオルタナティブの民主主義。橋下徹の原動力はルサンチマン…。思わず頷く例えばかりです。2016/05/05
ちさと
27
思想家の内田さんと小説家の高橋さんの政治に特化した対談を収録。左寄りの政府に噛みつくスタンスの話し合いを読んでいると、私たち公民がどこまで公的なことに関わるべきなのか、考えさせられます。脳内の常識と身体的常識という話で、確かに現代社会では「お金が全てじゃないよ」って堂々と言えなくなってるなぁと。5000台の車に乗って1日100回もご飯食べないのに。「お金儲ければ幸せ」というモデルが供給されて、そわそわして、浮き足立っている感覚。2018/10/02
みっちゃんondrums
17
ロッキング・オンの渋谷陽一氏責任編集の雑誌『SIGHT』で2011~2012にかけて掲載された対談。日本のマスコミやら政府やら社会についての分析は納得できるし、胸のすくことを言っている。「自分がいい思いできる社会はいい社会だ」と思わされるという自戒をこめた言葉も見られた。「祝島」の話が良い。平均年収低くても食べていけて、「お金なんかいらない」と言えて、格差がなくて・・・。本当に”すいてく日本”へとシフトしていったほうがいいよね。2016/02/12
ちぇけら
14
ゲンイチローさんの『恋する原発』を前に読んで思ったのは、ニホンッテモウヤバインジャナイノ、ってことだ。政治のことなんてちんぷんかんぷんで、議会ってなんか小学校の学活みたいだなってぐらいに思ってる(思ってない)。この対談を読んで思ったのは、いつまでぼくたちはこの国の現状を見て見ぬふりして生きられるんだろうってことだ。責任の押しつけあい、揚げ足の取りあいが、予算の審議に必要だろうか?漠然とした不信感は、しかし無知な一市民の一面的な思考だ。ゲンイチローさんたちの考えを聞いて、ぼくも考えることを再開した。2018/11/15