内容説明
道光帝の命により、戦闘が再開されるが、腐敗した清国軍は各地で連戦連敗。怒れる民衆たちも「平英団」を組織して英国軍に立ち向かうものの、上陸した英兵により国土は阿鼻叫喚の地獄と化す。林則徐は敗戦に慟哭の想いを噛み締めるが、新時代への変化に希望も感じつつ新たな任地・新疆へと旅立つ。(全4巻)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
134
阿片戦争の概要については大変詳しく、物語として語られるので歴史が入って来やすい。しかし、人物の動きや性格が一貫していなかったり、推量で書かれている部分も多く思える。また、主役級の男性たちに影響を与える女性が何人か登場するが、全く魅力的に見えず、彼女たちのパートが余分に思えることも多かった。その代わりに、戦争の原因ともなった阿片を酷い目に合わされたあとでも彼らから輸入し続けたたのか、女王の意向はどうだったのか。その時に欧州列強の反応はどうだったのか、などを描いて欲しかったと思う。2017/05/07
しんすけ
17
民間人の犠牲者が増えていく。 その起因は、清朝政府の無策に発する。イギリス軍による民間からの物資略奪も酷かったが、清の政府軍からも同胞から略奪するものが増えてきた。 それは政府軍が、形だけを急場に整えたもので浮浪者や暴力団も多く含むものだったからだ。 連維材が営む金順記は、清軍とは別の暴力団に襲われることになる。 維材の営みは国の繁栄を促すものであって暴利を貪っているわけではない。しかしルンペンたちは私利私欲の商人たちと区別することはできない。2020/10/18
シュラフ
14
阿片戦争(1840~1842年)をテーマにした大作である。今から約40年前に読んだ作品である。登場人物ひとりひとりが陳舜臣に乗り移ったかのようなテンポよい仕上がり感は、いま読んでみてもあせていないと感心してしまった。当時高校生だったわたしは、英国の暴虐に憤慨し、中国に大いに同情して、日中ともに手を取り合って欧米に対抗すべきと考えていた。あれから情勢は大きく変わり、いま日本は欧米とともに手を取って中国に対抗している。歴史の大局からして日本のすすむべき方向性はどうあるべきなのか、あらためて考えさせられている。2024/07/14
Tanaka9999
4
4巻完了。最後まで揺れ続けた皇帝も屈服。イギリス側としては無理にでも戦争を起こして自分に有利な状態にもっていきたいのだから、融和策は無理だったのだろう。阿片戦争が1840年、その後日本にも影響が及ぶが1853年の黒船来航で日本開国(それ以前にもアメリカ、イギリス、ロシアが開国を求めている)。(同じく鎖国状態だったにも関わらず)日本が清と比較すると積極的に外の状況を知ろうとしていたのは、少しは誇ってもよいのではなかろうか。2018/09/30
シンジョイ
2
4/5 思ったよりも、読み終えるのに時間がかかってしまった。著者が使命感を持って書いたと言うが、このことはよくわかった。戦争はこれまであったもの、守ってきたものが一瞬に壊されるが、必然で避けられないものなのか。戦争のことを本当に多面的に、実証的描いていて、とても良かった。 阿片戦争は、今の戦争や中国に繋がるし、日本維新からの歴史の流れも感じる。 2026/04/20
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