内容説明
清朝末期。大英帝国の新興資本は、市場を求め中国進出を企てていた。彼らが流入させた阿片の暴利を貪る特権商人、官僚達の中に、国を憂う清廉潔白な実力官吏・林則徐と豪商・連維材がいた。明治維新を始めとした近代アジア史に強烈な衝撃を与えた事件を活写する陳文学の最高峰、新装版登場!(全4巻)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
152
一巻は1834年からヴィクトリア女王即位の1937年まで。イギリスの対清貿易は極端な輸入過多。銀は流出するばかり。それを補填して行ったのが阿片だ。阿片中毒の恐ろしさが浸透していないため、人々は軽く手を出し深みにはまる。阿片のために汚職や犯罪に手を染める者が出てくる。登場人物が多く中国名が記憶しづらく話をおうのに苦労した。対等な自由貿易を望むイギリスを追い払う中国はイギリスの恨みをかう。いま旅行で滞在している香港に地名で見られるヴィクトリアという文字たち。女王即位中に戦争で割譲されたのだとしみじみ思う。2017/05/05
yuki@おぐ
22
【図書館】大きくなりすぎた獅子は、身体のあちこちで歪が生じている。壊したい男と維持したい男たち。 北京の美しい瑠璃瓦の長城、あらゆる悪が汚濁のようによどんでいる澳門、そして阿片には確実に速やかに中国を蝕んでいく。ヨーロッパ諸国がアジアを食い物にする、最後で最大の獲物、さて、二巻。まだまだ先は長いなぁ~(笑)2016/03/31
しんすけ
19
陳舜臣43歳時(1967年)の作品。最も脂が乗り切った時期の作品であり陳舜臣の代表作である。 陳舜臣が文壇に登場したのは推理小説作家としてであった。 『枯草の根』や『青玉獅子香炉』などが陳舜臣の名を高らしめていたはずだ。その中で歴史小説である本編は意外でもあり、それほど注目されなかったのではないだろうか。 ぼく自身は『小説十八史略』が1977年に発表されたとき、陳舜臣の歴史造形の深さに感心させられたものである。 その後ようやく本書を手にして、単なる歴史記述でなく人間交流のドラマが描かれているのに気づいた。2020/10/10
シュラフ
14
阿片戦争(1840~1842年)をテーマにした大作。「呉鐘世の父は、林則徐が進士に合格して北京にいた頃、まだ壮年で慷慨の士であった、経験も豊かで、さまざまな実際的な抱負をもった人物なので、林則徐は何度も教示を乞うたことがある。ところがいまは、皮が骨にはりついた蒼黄色い顔を天井に向けて、ベッドに横になったきりであった。枕もとには阿片吸飲の道具が置いてある。」麻薬はこのように恐ろしい。その個人のみならず世の中に広まれば国を衰退させてしまう元凶となる。だから我々は麻薬に対して厳しい態度をもって対処すべきである。2024/07/14
BIN
10
阿片戦争について知りたくて本書を読み出した。阿片の凄まじさがよく伝わってくる。中毒になって廃人になるし、軍人にまで及んでいて、政府の高官どもは保守的で対処を禄にしないし、賄賂が蔓延る。阿片ということで商人絡みの話が多く、序盤はかなりつまらないが、連維材が生贄として逮捕されてからはちょっと盛り上がってきました(終盤はクールダウンしましたが)。1巻でまだ阿片戦争5年前の話。先は長いのでのんびり読んでいきます。2018/11/15




