内容説明
日本の運命は三人の軍司令官に託された。マレー強行作戦陣頭指揮の山下奉文中将、比島の本間雅晴中将、蘭印の今村均中将。緒戦の勝利を踏まえ東条英機首相は、占領地域を固める方針だったが、山本五十六連合艦隊司令長官は猛反対。「如何に時を藉さずに敵を捕捉撃滅するか」に集中せよとミッドウェーに出撃する。【内容は山岡荘八歴史文庫版「小説太平洋戦争」と同一です】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@進め進め魂ごと
49
緒戦の華々しい戦果に早くも箍が緩み始める陸海軍。やがてその綻びがミッドウェーや餓島の悲劇を招く。架空戦記であれば無類に面白いのだが、哀しいけど、これ史実なのよね。物資も送れず餓死者を量産する詰んだ状況にありながら、天皇にまで虚偽の戦勝報告をしてしまう参謀達は、本当の事を言って怒られるのを恐れる小児か、著者が憤る通り、狂っているとしか思えない。八紘一宇を具現化したような善政を敷き、それを叱責に来た上層部に半沢直樹の如く反抗した今村均中将はマジ上司にしたい男No.1。2022/08/10
タッキー
12
この巻はミッドウェー海戦。油断か何かはわかりませんが、哨戒を怠るなど、明らかに準備不足。戦争に限らず、何ごとも準備が大切という教訓に感じました。そしてガダルカナルの死闘。ここで亡くなった日本兵は2万人以上とのこと。飢えとマラリアに苦しめられる姿は、戦争以前の問題で、そこに対して、中央は何も知らずに、次々と人員を送り込む無能さには呆れるばかりで、戦争の悲惨さを感じました。こちらの原因も根は同じ。相手の戦力を正確に把握することなく、やたらに突っ込んでいった結果。本当に悲惨な戦争です。2023/02/23
Hiroki Abe
7
全六巻の内、二巻半ばで早くも敗戦に次ぐ敗戦になりました。客観的に読み進めるなんてことは到底無理で、日本人が無残に死んでいく様は一文字一文字自分の身体を抉られるようです。まだまだ、真の地獄はこれから。気絶しそうになりながらも読みたいと思います。本当に読み終わった直後ですので詳しい感想は追記にて2015/08/04
rinrinkimkim
3
1よりも早く読めました。慢心、傲慢、過信で追い込まれてゆく日本軍。前半は本間、山下、今村らの人格からくる戦い方の違いに筆を走らせ後半はミッドウエィ、ガダルカナルの敗戦に進む。山岡さんは本書を書いているとき原因不明の高熱に3回うなされたのはガ島散華の人柱のためではと書かれている。食糧送れない島に兵隊さんだけ送れば結果は火を見るごとしなのに。ブルドーザに対し、つるはしって!暗号解読されちゃってるし。敗退を転進とは・・今も変わらないなぁ。忖度とか言ってるし。やるせないというか切ないというか。言葉にならない2018/01/27
わわわべ
3
日本兵の強さと司令部の愚かさを思い知らされる巻。引くことを知らないというのは、同等程度の敵に対しては圧倒的な力を見せる。一方で地力に大きな差があれば大惨事を生み出してしまう。物量以上にそもそも情報戦で負けていることが致命的すぎるなぁ。2017/05/21
-
- 電子書籍
- 水を制し天下を治めた継体天皇。役に立つ…