内容説明
和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。【内容は山岡荘八歴史文庫版「小説太平洋戦争」と同一です】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@進め進め魂ごと
51
歴史小説家らしい手法で人物の内面に迫り、A級戦犯として謗られる松岡や東條が、天皇の意を汲み極限まで和平を求め苦悩した様や、山本五十六や山下泰文等、負けると知りながら最善を尽くそうとする職業軍人の悲壮な覚悟が生々しく描かれる。 終戦記念日を前に何だが、当時、開戦は不可避的且つ運命的であり、真珠湾に飛び立つ赤城艦上の将兵に向けた淵田中佐の「敵を撃滅せよ!」という檄に込められた忍従の限度を超えた思いは、等しく国民も共有していたのだろう。2022/08/08
旗本多忙
18
昭和16年、陛下をはじめ近衛内閣の誰もが日米開戦だけは避けようと奔走していた。近衛総理とルーズベルトの会談も不発に終わり、東条内閣が発足する。根気の外交和平交渉を続ける日本は、来栖、野村の両大使を派遣する。しかし、体よくアメリカにあしらわれ、最後通牒としてハル・ノートをつき出される。到底受け入れれないであろう、あまりにも無礼な内容に、いよいよもってこれまでか。鉄や石油の禁輸で資源のない日本がとった行動は‥‥戦争を肯定はしない。しかし戦争をしてなかったら、今の日本は‥‥2018/06/30
こういち
18
先人の熱き思いが歴史を綴る。松岡洋右が日本に帰国する昭和16年4月22日から書き出される本書は、その年の12月8日までの足跡を詳らかに刻む。何故、用意された罠に嵌まってしまったのか。振り返れば、戦争を起こして一敗地に塗れるも結果的に国体は護持された。何を守るために、何を失ったのか。この現実に目を背けてはならない。国家が地球的規模でぶつかり合った過去を何度も繰り返し問診することで、今必要な処方箋となるべき手立てを考えてみたい。2015/06/28
Hiroki Abe
13
はっきりと心が、頭が、身体が欲していたので購入しました。戦争について色々と政策と国民の意思とが珠玉混合していますが、まずは日本人がした戦争について知らなければと思います。普段、感覚で読む本を決める私としては挑戦ですが、読み想像する、そして理解する、少しでもかの戦争について感じることが出来ればと思います。2015/07/28
rinrinkimkim
8
読んでも読んでも終わらない。字がびっしり!白人至上主義対日本(アジア)という考え方。従軍されたからこその思い。東条を上から目線で切り、近衛を小馬鹿にし、現人神をこの上なく拝し、みじんにも裏切ることない。山岡思想があふれています。595ページで開戦前からシンガポール勝利まで果てしない。長編ものにがっぷりと組んで久しぶりに陶酔させてもらえそうです。現人神様が何がなんでも回避したかった太平洋戦争。はじめずにはいられなかったハル・ノート。アメリカにはバーがあり、それを超えると日本いじめが始まるんだなぁ(今も昔も)2018/01/23
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