内容説明
ヒトラー登場の露払いとしての思想的役割をはたした有名論文。ワイマール民主制への強引な批判は公法学者シュミットの面目躍如たるものがある。
目次
合法性と正当性
序説 立憲国家の合法性体系
第一章 議会制立法国家の合法性体系
第二章 ワイマール憲法における三種の特別立法者
結び
中性化と非政治化の時代
序
(1) 順次に交代していく中心領域の諸段階
(2) 中性化と非政治化の諸段階
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナン
2
1932年、ナチ政権直前に刊行された、ワイマール憲法の欠陥を指摘した書。とはいえ、ナチスの政権獲得を擁護する内容ではなく、その直前の少数与党の大統領内閣の行動を正当化するための書と言える。ワイマール憲法には議会の他に三種類の特別立法者(第二編、国民投票、大統領)がいて、憲法の合法性体系を脅かしている、多元的国家は合法性や正当性をやたらに利用したがり、かえってそれらを消失させる等の指摘は、既に刊行当時、ドイツ国民がナチス政権を受け入れる土壌が育っていたことを感じさせる。2020/07/26
MM
1
ものすごく難解で、読了まで予想以上の時間がかかってしまった……。出版社の紹介文では「ヒトラー登場の露払い」などと書かれているが、自分が読んだ限りそのような意図は見受けられず、むしろ逆に独裁や例外状態が憲法を破壊することの危険性について警告しているように思えるのだが……。私が誤読をしてしまったのだろうか?2020/09/20
こずえ
0
政治的合法性と正当性についてかかれた古典。 政治学でシュミットの名前はでてくることは多いだろう。 原点をあたることis大事