内容説明
ゴドン・ザルコスと別れた老騎士バルド・ローエンは、再びオーヴァ川の西に渡った。ロードヴァン城で行われる辺境競武会を観戦し、女騎士ドリアテッサの戦いのゆくえをみまもるために。傍観者としてその場に立ち会うはずの老騎士は、思わぬ成り行きにより、事態の渦中に巻き込まれてゆく。さらにバルドは、パルザムの王都に足を運ぶ。それははからずも、中原全体を巻き込む動乱の序章となるのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
45
前半は女騎士ドリアテッサが出場する辺境競武会の話。いくつもの部門に分かれて試合が行われます。競武会の最後は歌部門というのも面白い展開で、バルドが意外な活躍を見せることになります。また思いがけずジュールラント王子とシェルネリア姫の間を取り持つことになったりします。後半は何やら不穏な空気が出てくる中、バルドも気ままな旅を続けてはいられなくなります。王都ではこれまでの野趣あふれる料理ではなく、上品な料理が出てきますが、その料理を作るカムラーにバルドが料理を通して翻弄される場面は楽しく読めました。2020/03/23
瀧ながれ
29
カバーを見て、「え?歌うんだ?」とびっくりしていたら、その歌のシーンで泣かされました。すごいなバルドおじさん、予測不可能な活躍だ。いろんな場所で、たくさんの人と縁を結び、ときどき恨みを買い、いくつかの約束を心に刻んで進むバルドの旅。今回印象に残ったのは、バルドとしずかな戦いを繰り広げる天才料理人。あと、ジュールラント太子の、「くそっ。ずるいぞ、じい!」がかわいかったです。2015/06/14
瀧ながれ
22
再読、新刊を読むため。激しい競武会の描写の後の伸びやかな歌の場面が、やっぱり感動的。両陣営の隔てない男声大合唱は、音声で聴けないのがほんと残念です、思い浮かべる以上に迫力あるんだろうなあ。料理人とのやりとりも印象に残った(けど、それ前にも書いた)。ジュルチャガとカーズ、シャンテリオン、忘れちゃいけないユエイタンらの活躍も、要所要所でキラキラ輝いてました。カーズのプロフィールには、いろんな角度から驚いたな。まあ、カッコいいのは間違いないので、良いのです。2019/04/15
ぐっち
21
わーい、3巻出た♪♪今回は辺境競武会、そして成長したジュールとの再会。ジュールとシェルネリア姫、ドリアテッサとシャンテリオン、ティグの事情にカーズの過去、そして極め付けは「お三方のうち、どなたなのかしら。」ハラハラきゅんきゅんのエピソードがてんこ盛りなのに、一番の感想は、「カムラーの料理食べてみたい!」。冒険と恋と食い気、もっともっともっと売れてほしいこのシリーズ、次の巻も楽しみにしてます。2015/06/20
tom
19
この巻は、食い物よりも騎士としての活躍に話題が向かう。怪しげな輩が現れて、激しい戦いを繰り返している。どこでバルドと対決するのだろう思いながら読むのに、いつまでたっても始まらない。そしてバルドの持つ(本物の)魔剣の由来やら効能などなどのウンチク、優秀な料理人が出す驚くべき料理が魔剣の刃物で作っていることなどなどの説明が続く。この物語、私は全3巻だと思っていたの。だから妙なところで終わるのだと調べてみると、全5巻までありました。この楽しみ、少々惰性で読んでいるのだけど、まだまだ続くのが嬉しい。2025/07/04