祥伝社文庫<br> 下山事件 最後の証言 完全版

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祥伝社文庫
下山事件 最後の証言 完全版

  • 著者名:柴田哲孝
  • 価格 ¥942(本体¥857)
  • 祥伝社(2015/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396333669

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内容説明

「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」祖父の23回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和24年(1949)7月5日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌6日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総師へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相!日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞受賞のベストセラーに、新たな取材、情報を加筆した完全版、待望の電子化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バイクやろうpart2

69
『文庫Xも』凄いけど『下山事件』も凄い‼️のカバーに惹かれ手にしました。凄まじい執念で事件を追いかけておられ頭が下がります。折角の新証言も怪しいものが多く、とても、もどかしさ感じながら読ませて頂きました。いずれにしても警察が強引に事件を幕引きせざる得ない行為そのものが、何としても隠さざる得ない事実が在ることを物語ってます。 2019/08/23

Miyoshi Hirotaka

62
独英の鉄道網構想は国際対立を招き、米露の大陸横断鉄道は国富を築いた。南満州鉄道はわが国の大陸政策の要。鉄道は植民政策や国家政策と深い関係にある。戦後、トラック輸送が主力になっても、専用の病院、公安、共済組合、プロ野球球団まで所有した大組織。この利権構造に早々にメスを入れようとした初代総裁の下山総裁が殺された。時期的にGHQの占領下でしかも朝鮮戦争前夜という国際政治状況が重なったため、真相解明が放置され、謀殺説で上書きされた。国鉄が民営化されたのは約40年後。先送りで累積した負の遺産を負っているのは我々だ。2015/11/28

とくけんちょ

58
戦後の国鉄をめぐる三大事件のひとつ、下山事件。事件名は聞いたことがあったが、その内容は知らなかった。警察も自殺か他殺か判断できていない。戦後という時代はどこまで闇が深いのか。そりゃ占領されていたのだから、今では想像もできない。いろんな金や力が渦巻いていたのだろう。これで完全解決とはいかないものの、読み物としても楽しめた。2021/02/11

キムチ27

44
作家としての筆者ではなく、ジャーナリスト故の好奇心・・まして肉親に連なる抑えがたい感情の迸りから資料を積み重ね、真実に迫って行こうとした作品。船戸氏の作品を読み進めている事もあり、改めて「昭和史発掘」じゃないけれど、どす黒く底深い闇の深淵を見せて貰った想い。明治39年、わが国が満州に野望の種を蒔いた、程なく満鉄が誕生、栄光の歩みを進む「はず」であった。特急あじあ号が少しずつ歯車を狂わせ始め日中戦争へ。そこに関わる人脈がやがて起きる松川・三鷹・下山事件に連なって行く。「知り過ぎた者」は消され、吉田(続く)2014/11/25

saga

40
戦後の未解決事件としてあまりに有名だが、こうして詳しく内容を知ると、ますます興味深い。著者の祖父が本事件に深く関わったかも知れないことから進められる取材は、身内や核心に近い人物から情報を引き出すのに有利だったようだ。矢板玄氏への取材は緊張感と安心感があった。桜田会、M資金、松川事件・三鷹事件など戦後の暗闇が目前に姿を現した。下川総裁を殺すことで誰が得をするのか? という視点で読み進めたが、誰が損をするのかということで説明できそうだ。いずれにしても真実を知り得る人々は鬼籍に入り、解明の手段はもうない……2018/05/09

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