内容説明
事件は工学部で起きている。定年退職して後顧の憂いがなくなったヒラノ元教授は、象牙の塔で目の当たりにした悪事を一切合財ぶちまけた。研究費横領、経歴詐称、セクハラ、アカハラ、データ捏造、論文盗作、そして美人女子大生の蜜の罠……理系世界の暗部を暴く元教授の筆はますます冴え渡る! 日本の未来を担う工学部キャンパスで勃発する「犯罪」の数々を紹介した実録秘話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
81
2014/12/23 Amazonより届く。2016/8/31〜9/6ヒラノ教授シリーズ、第2弾。出張中のサンダーバード車中にて読了。みんな知っていたことだが、いくら時効とはいえ、ここまで書いちゃって良いのか?というくらい赤裸々に事情が書かれている。まぁ、こういう事のお陰で最近は研究費だいぶ使いやすくはなっているが。2016/09/06
かんちゃん
20
前作と一緒に買ってしまったので、渋々読んだ。概ね前作同様のテイストだ。他学部はダメ、特に文系学部は罪悪、マジメに研究しているのは理工系、なかでも著者はイの一番。書いてあることは以上。あっ、これネタバレかな?2016/08/08
sirototoro
8
工学部で、研究と教育に勤しんだヒラノ教授の学内暴露小説。スキャンダルを面白おかしく書くだけではなく、原発問題やSTAP論文問題にも言及されていて、専門家からの意見を興味深く読んだ。特に、基礎研究を含めても、5年成果をあげない研究者が10年後に成果をあげるケースは少ないと成果主義をある程度許容しているのには、驚いた。多くの研究者は、成果の前に、研究環境を整えるのが先だ、という意見が大多数だと想っていたので。2018/06/07
yamakujira
6
ヒラノ教授が謎を解く学園ミステリかと思ったら、筑波大や東工大や中大で教鞭をとった元教授が実体験を語ったエッセイなのか。研究費横領、経歴詐称、セクハラ、アカハラ、データ捏造、論文盗作などなど、おもしろおかしく読める内部告発だけれど、犯罪と呼べそうなものもあるから、ヒラノ教授という架空人物の話とするのは防衛策なんだろうな。研究費の単年度会計とか、実学重視の予算配分とか、素人目にもおかしな制度がいくつもある一方で、出世や名誉に固執する教授も少なくないようで、学者の世界も気苦労が多いんだなぁ。 (★★★☆☆)2017/08/23
らっそ
6
費用精算のくだりを読んで、公務員を停年退職して国立大学の大学院に社会人入学した知人が、大学事務員と喧嘩した際、「彼らのお役所仕事には本当に腹が立つ」と言って退学したのを思い出した。公務員OBにお役所仕事って言われるって・・・2016/01/27