神田橋條治 医学部講義

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神田橋條治 医学部講義

  • ISBN:9784422115450

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内容説明

『精神科講義』に続く姉妹編。本書は前書と違い、医師や研究者を目指す医学部学生に向けて行われた大学での講義録である。自身の体験をもとに精神医療現場での治療や診断の問題点について語る内容は、マニュアル偏重主義の現代医療全体への痛烈な批判ともなっている。医師は、どんな状況でも患者のために何かできねばならないという強い信念と、後輩たちへの温かいエールに満ちた本書を、医学領域で生きるすべての援助者・研究者の方たちに贈りたい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つなぐ

3
この本を読む前までは、神田橋先生というとオカルト的な治療法も認める、ちょっと変わった精神科の古い先生というイメージしかありませんでした。初めて神田橋先生の本を読んでみて、そのイメージは覆りました。この本は医学生に向けた講義をまとめたという事もあって、精神療法の本質について著者が色々な観点から考察を加え、学生の既存概念を揺さぶってその本質を考えさせようと意図した内容となっています。精神療法ではヒントを与えるだけに留めて、自ら考え学習した事のほうが記憶に残り役に立つという著者の言葉通り、ヒントが詰まった本です2018/04/07

トリピスティ・インターナショナル

2
何か知識を身につけるというより、何かを考え出すきっかけになる、そういう本。2015/04/08

tekesuta

2
昔のある高名な先生の患者供覧の話。先生「ここにツモール(腫瘍)があります。では次にどうしますか?」学生「レントゲンをとります」先生「ひょっとしたら君は○○製作所の回し者ですか?」あるいは「君は機械を売り込むために学生に紛れて入ってきた回し者ではないですか?」あたりのくだりに笑ってしまった。でも今は笑い事じゃなくてすぐ検査だよねなんでも。 2014/12/23

inu

1
「くだらない子ども時代のない人はもろい人間になる、逃げ場がないから」この言葉に「退行して憩う場所」のない私はかなりドキッとした。戻りたい瞬間はあっても瞬間ゆえ不安定で長居はできないし、したいとも思えない。様々な気づきを得られる一冊だった。2022/06/14

剛田剛

1
「心のありよう」については実に示唆に富む内容だったのだけど、神田橋條治という人物をどう評価すべきかと考えるとなかなかの難題になる。彼の目指す医療者は結局のところ「シャーマン」「まじない師」「教祖」にしか帰着点がないし、彼の理論に再現性があるかというと甚だ怪しい。むろんそれは彼が臨床の世界の人間であって研究者ではないこと、現行の精神医学の限界、彼の善意などの和としては必然的な場所であるのだが、精神科医がみんなこれを始められたらとてもかなわん。2020/03/05

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