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内容説明
最新の理論と実験から迫る全く新しい宇宙観。宇宙の90パーセント以上は得体の知れない暗黒物質と暗黒エネルギーからできている。その正体を探っていくと多くの次元と宇宙が見え隠れしているというのだ。急展開を見せる宇宙の最前線をふまえて「宇宙とは何か」を問い直す最新宇宙論入門。(ブルーバックス・2011年7月刊)
目次
第1章 私たちの知っている宇宙
第2章 宇宙は暗黒物質に満ちている
第3章 宇宙の大規模構造
第4章 暗黒物質の正体を探る
第5章 宇宙の運命
第6章 多次元宇宙
第7章 異次元の存在
第8章 宇宙は本当にひとつなのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
98
Audiobookにて。暗黒物質と重力、暗黒エネルギー。これらは多次元宇宙・多元宇宙の存在を示唆する。暗黒物質は銀河・銀河団の保持剤。星の質量では銀河を保持できない。暗黒物質は異次元方向の運動が質量として三次元投影されたものか。また強い電磁気力と弱い重力の統一に向け、重力の異次元方向への染み出しを検証。暗黒エネルギーとは、ビックバン以降膨張し続ける宇宙の動力源。真空エネルギーが候補だが、エネルギーが現行宇宙が切り裂かれるほど大きい。そこで人間原理と真空エネルギーの異なる多元宇宙の存在が考えられる。2019/07/09
へくとぱすかる
87
宇宙論の基本がわかりやすい。話題の中心は暗黒物質と暗黒エネルギー。今もなお、その正体がわからない謎の物質が、実は宇宙の95%を占めている、というだけで、これまでの物理・化学・天文学の常識をひっくりかえす。重力が異次元にしみ出る、とは、過去の本には絶対なかったエキゾチックな表現。今までの、星・銀河を中心にしたイメージを捨てなければ、宇宙の最新像はわからないと感じた。2017/03/22
mitei
80
宇宙は只広いだけでなく何次元と並列して別の次元があると仮定しないと説明できないような現象が起こっていることを初めて知った。最近はニュートリノが光より早くなることが発見され、アインシュタインの相対性理論の前提が崩れてきたニュースといい宇宙関係のニュースが充実してきて宇宙の謎が解明されるのが非常に楽しみだ。2011/09/27
ntahima
78
著者本は『宇宙は何でできているのか』に続いて二冊目。前作より分り易い。但、題名は8章の章題であり内容的には暗黒物質、暗黒エネルギーが中心。小説の短編集みたいな題名の付け方。著者の研究テーマというよりは最新の宇宙論を紹介したものなので、類書と内容が重複する部分もあるが、著者の売りは説明の分り易さであろう。数学は苦手だが宇宙の話を読んでみたい読者には佐藤勝彦博士共々お勧め。万物の元と習った原子が実は宇宙全体の5%にも満たないことが21世紀に入って初めて分るというのが科学のロマン。じゃあ残り96%はというお話。2012/03/27
absinthe
74
まあ良本。リサランドールや大栗さんの後に読むと平易に書かれすぎてて薄味に感じてしまうが・・・。平易に書くというのは易しくないと思う。わかりやすく書こうとするあまりに、かえってわかり難くなることもある。後半はその悪い例かもしれない。最近の初めて読むならちょうどいいかもしれない。 2018/06/12