内容説明
フランスの地方都市に住むタルモン一家。司法官である妻、夫は弁護士、厳格な妻の母と従順な息子と暮らしていたが、夫がアメリカから孤児を引き取ったことから、一家の崩壊が始まる。同時期に老婆ばかりを狙った残虐な連続殺人事件が起き、その事件を担当する妻はシャルルの助言を得て、その恐るべき真相に迫る。迫真のサイコ・ミステリー、〈鑑定医シャルル・シリーズ〉第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
38
鑑定医シャルルシリーズ3作目。3作の中で一番面白かった。金曜日に繰り返される性的殺人。エゲツない犯行の描写は読むのに苦労してしまうが一家5人の心の闇は興味をそそられる。シャルルが普通の常識的な人に見えてくる位、心を病み異常な犯行を繰り返す。やはり、何が怖いって人間ほど恐ろしいものは無いとの結論してしまう。このシリーズはこの後刊行されていないようだがもっと先を読みたいし、シャルルには幸せになって欲しい。2018/02/13
吉田あや
30
厳格な祖母が取り仕切る名門一家が希望と絶望の間を揺れながら少しずつ悲鳴をあげ軋むように崩壊していく。あまりに残酷で凄惨な事件と、情熱的で鮮やかに展開する官能の世界。今まで自分がふれてきたひとみさんの世界との違いに驚きつつ、見事な表現に感嘆!環境的要因で捻じれ壊れた心が生み出していく世界が深く暗く恐ろしい。シャルルの目を通して知る精神の深みをいろんな角度から見ながら、いつの日か幸せに包まれるシャルルを読めたらいいのにな。鑑定医シャルルもぜひぜひ続刊してほしい!!2014/03/12
つきみ
15
時々恋しくなるのが、藤本さん。原点回帰なのかもしれません。鑑定医シャルル・シリーズ第3弾。比較的簡単に、比較的誰でも家庭や子供を思い通りにできるのです。それ故、家庭が、親が持つ危険性を真に感じました。日本が舞台でない分、グロテスクさがほんの少しだけ緩和されているかもしれません。2012/11/05
桜
11
久しぶりに読んだシャルルシリーズ。エグい犯罪話ですが、時折みせるシャルルの人間味がたまらんのです( ╹▽╹ )2021/06/30
kana
10
快楽殺人を捜査するシャルルと女性検事、そしてその家族。すべてが破滅に向かっていく恐怖の中での登場人物の心理描写やシャルルの精神分析が細かく書かれていて、内容は猟奇的で目を背けたくなるものなのにゾクゾクと一気読みでした。シャルルには幸せになってほしいな。2014/10/02




