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内容説明
今だから話せる、あの裁判の真実の姿! 前作「法医学現場の真相」から4年、袴田事件をはじめ、再審の末に逆転無罪となった事件が続く中、数々の裁判に関わってきた著者が、冤罪の真相、司法の問題点を説き明かす。進歩を続ける最新技術「DNA型鑑定」の落とし穴とは? さらに頻出する痴漢・ワイセツ事件裁判の現状も。 [本書に登場する事件] ・袴田事件 ・東電女性会社員殺人事件 ・足利幼女殺害事件 ・布川事件 ・福井女子中学生殺人事件 ・飯塚事件 etc.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん
14
犯罪捜査に法医学的見地からの鑑定を用いることは通常あることである。しかしこれらの鑑定方法や鑑定結果報告の内容が、真に科学的であるかというとそうではないケースがあるようである。おそらく大学で研究をする学生であっても、実験や鑑定の「お作法」は学ぶだろうと思うが、犯罪捜査における各種鑑定においてはそのお作法が守られず真に客観的な結果になっていないことがあるそうで、これは恐ろしいことである。しかし、鑑定人が提出した報告書の内容に全く触れない判決とは何なのか、理解に苦しむ。2022/10/16
eirianda
12
DNA型鑑定について、過去の再審事件の諸々。結構いい加減な鑑定人や雑な証拠の扱い、あと警察のストーリーに沿った鑑定など。色々資質を問われる仕事だなぁ。科捜研など予算が足りないと、以前読んだ本にあったのを思い出す。それより著者が自分や他の裁判官、警察官の勲章の授賞云々にこだわっているのが、なんとも人となりが滲み出ていて、文章に起すのって怖いと思いながら読んだ。2016/05/13
hikarunoir
5
文系体質に理系的整合性がかみ合わない上での人材不足、著者も含む法曹関係者の功名心が、法廷を正義から乖離させていると露呈。2016/11/21
Mikarin
5
近年のDNA鑑定の進歩で(今や数十億、或いは天文学的な確率に一人)という所まで絞り込めるようになった。だが、一方で艦艇試料の紛失、取り違えなどの問題点を提起している。しかし、ある裁判官で、冤罪で無実の人間を死刑判決にしておきながら、後に別の裁判官の再審裁判で無罪になりながら後日、勲章をもらい、返上しない者いるのは(実名表記あり)カバーに書かれてある通りだと思われる。2015/08/03
さとちゃん
4
証拠の採集と保全、そして開示の問題が根っこにあるのでは? というところでしょうか。文章は読みにくいですが、この分野の第一人者の目から見た刑事捜査と裁判のあり方、として読むとおもしろかったです。2016/06/22