集英社文庫<br> ゴヤ I スペイン・光と影

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集英社文庫
ゴヤ I スペイン・光と影

  • 著者名:堀田善衞【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 集英社(2015/04発売)
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  • ISBN:9784087466386

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内容説明

『巨人』『裸のマハ』等で知られる画家フランシスコ・デ・ゴヤ。1746年、荒涼としたスペイン北東部に生まれ、17歳でマドリードへ。下絵描きを経て、宮廷画家の地位を得るが……。大病や相次ぐ子供の死と、苦難に満ちたゴヤの82年の生涯を、数々の絵画・版画作品と共にたどる。著者の並々ならぬ情熱と、徹底した踏査に基づく長編評伝。第1巻では、ゴヤ40歳までを描く。大佛次郎賞・ロータス賞受賞の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

275
第1巻は、ゴヤがまさにゴヤになるまでを描く。 ゴヤが仮にここまでで没していたなら、あるいはプラド美術館に飾られることはなかったかも知れない。 作家はゴヤを生んだスペインを、とりわけその内陸部に位置するサラゴーサ(アラゴン)と、マドリッド(カスティーリャ)の風土と歴史の中にゴヤを描いていく。 しかも、そこで語られる歴史は単に事件や政変だけではなく、あたかもアナール学派のそれのように、ただし作家としての想像を交えながら語られる。そして、その歴史と風土の中からゴヤが立ちあがってくるのである。 2011/12/31

アキ

97
夏は耐えがたき日光に身をさらし、冬は針よりも鋭き氷雪をおかすのじゃ。「ドン・キホーテ」の言葉は、1746年サラゴサ郊外のフエンデトードス村で生まれたゴヤの時代も同じような状況であった。ベラスケスと同様、絵の師匠の妹と結婚して、つてを頼ってサラゴサからマドリードへ、更にはローマへ、そしてサラゴサへ戻るが、詳細は不明である。1918年に生まれ戦争を経験しスペインに移住した著者は、想像の力で、ゴヤの貴族と聖職者への節操のない訴求を、そして飢えが日常であった生と死の密着したむき出しのスペインへ連れ出してくれる。2024/09/23

A.T

27
著者の目線から随筆風に描かれるフランシスコ・ゴヤの生涯、第1巻。ゴヤが生まれた1746年と現代、スペインと日本という時空間を歴史書のような分析を交えて語られる。ゴヤに興味がなくても入っていきやすいと思う。驚いたのは、ゴヤの遅咲きの才能。こんなんで宮廷画家に近づけるの!?というレベルで第1巻が終了した。たまたま家にあった 晩年のボルドーで制作されたエッチング作品集のとはえらい違いだった。2018/03/26

かふ

20
それぞれの短編小説は星で見えない線でつなげることによって星座になる、と『ポーランドのボクサー』の作者が書いていたのだが、まさにこの本はゴヤの一枚一枚の絵を辿って、見えない闇の部分を堀田善衛は想像力で繋げて一つの物語を語るのだ。堀田善衛が描くゴヤはある部分途方も無い虚妄のドン・キホーテとなった伝説の騎士なのかもしれない。スペインの土地の地霊ともいうべきものをひっさげて、ヨーロッパ(貴族たちのフランスと厳格なローマ・カトリック)に殴り込みをかけた男。2021/07/12

まると

19
堀田善衛さんの大作に着手。第1巻は若き日のゴヤを当時のスペインの実情を交えて論じている。日本の作家が欧州の辺境の国の、200年も前に生きた巨匠の評伝を書くこと自体、並大抵のことではないのに、国際的にも高く評価されているというのだから恐れ入る。「~であろう」と推測的な記述が続くが、そこに妥当性が感じられるのは、豊富な知識と確かな教養、鋭い洞察力、絵画をその目で見て歩くという取材力があってこそだろう。あの衝撃作「マドリード5月3日」や黒い絵シリーズについて堀田さんがどう解釈したのか、次巻以降を読むのが楽しみ。2021/01/18

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