内容説明
超人気シリーズが、書き下ろし長編小説に!
髪結いの伊三次と芸者のお文。仲のよい夫婦をめぐる騒動を、江戸の夜空にかかる月が見守っている。大河ロマン的な人情時代小説です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
177
【再読】疲れていたのかなぁ私。大好きなお文になり又、いなみになってじわ~っと沁みた。いつ読んでも新しい気付きがある。十年一日とはいうけれど、大火後の十年。それぞれの十年。私の十年。色々ありました。このシリーズはこの先、何度も読むのだろうなぁ。何度も皆に会える。やっぱり大好きなシリーズだ。2019/12/02
佐々陽太朗(K.Tsubota)
130
「髪結い伊三次捕物余話」シリーズ第11作。これまでの連載でぽっかり空いていた10年間をふり返るかたちで語られる心温まるエピソード。少々書き急ぎ感が目につくが、宇江佐さんは登場人物一人ひとりをいとおしむように語っている。宇江佐さんの心情を思えば文句をつける気にはならない。心温まる物語をありがとうございました。2014/12/24
ぶち
100
シリーズ8巻目の『我、言挙げす』と9巻目『今日を刻む時計』の間、書かれていなかった10年間を綴った文庫描き下ろしです。 すごく心に沁みてくるエピソードばかりです。シリーズの各巻に載せられている宇江佐さんの後書きから察せられる宇江佐さんのこのシリーズにかける想いや覚悟が、それらのエピソードに凝縮されているようにも感じられます。 このシリーズを代表する一冊だと思います。 どのエピソードもじわっーと胸に沁みてきます。2021/12/29
ALATA
98
不破は良い息子を持ったとお文は思った。江戸の大火で焼け出された伊三次を心底同情できる竜之進の成長する姿がまぶしい。お吉が生まれる頃の懐かしく、温かい夫婦の絆が描かれる番外編。てて親に見守られて桃太郎姐さんは情に厚くほだされる。「月は誰のもの?」伊与太の無邪気な言葉にも心が洗われる思い★4※本所無頼派のその後、お吉の名付け親、「わっちは気張って米代を稼ぐことにしよう」、「おきゃあがれ!舐めた口利くな」息子を叱る友之進の声がひさびさに聞けて嬉しい(^o^) 2023/06/18
優希
95
髪結い伊三次を読むのはこれが初めてなのですが、番外編とのこと。本編では語られていないエピソードを先に読んだので、分からないところもチラホラ。伊三次の色恋、父と娘の関係などが行き来する時間の中で描かれていきます。悩み、立ち止まったりするけれど、それでも前に進んでいこうとする姿が愛おしく見えました。面白かったので本編も読んでいきたいと思います。2015/11/26