内容説明
北町奉行所の町方同心見習い組では、不破龍之進ら若者たちが、江戸で狼藉を働く「本所無頼派」の調べに精を出している。上司の目を盗んでの張り込みで、無頼派と関わりがありそうな辻斬り事件の尻尾を掴んだが…(「本日の生き方」)。一方、伊三次は、無頼派の押し込み事件の証言を船頭から聞き出す(表題作)。伊三次とお文のいまの楽しみは、少々弱気な一粒種、伊与太の成長だ。伊三次と不破からその息子たちに、ゆるやかに代替わりする、人気シリーズの第7弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
132
『我、言挙げず』読む前に前巻までの流れを確認・・のつもりが文庫版あとがきで自爆の再読。以下、宇江佐さんあとがきより抜粋。【先日、嬉しいことがあった。あるパーティーで北原亞以子さんにお会いして、少し褒められたのだ。今まで先輩の作家さんからは苦言やお叱りばかり頂いていたので、ちょっと意外な気もした。「でも、私はもう六十になりますから、これからはそうそう書けないと思います」「六十が何よ!」北原さんは間髪を容れずおっしゃった。「北原さんには、まだまだお書きになりたいテーマがあるのですか」慌ててお訊ねすると→続2016/01/07
優希
111
武士と町人の違いを感じさせられます。北町奉行所町方同心見習い組の6人の若者たちの活躍がメインでした。俗事に追われながらも同心見習いとして動く姿が格好良かったです。勧善懲悪に終わらないところにリアルさがあって面白いところでした。理不尽な時代にユーモアを忘れない人たちが愛おしい。最後の伊与太と茜の関係がほのかな恋を感じさせてほっこりしました。2016/03/04
ぶち
110
著者の宇江佐さんも後書きに書いていらっしゃいますが、ここしばらくは若い龍之進をはじめとする見習い同心たちが物語の中心となっています。見習い同心といってもやはりまだまだ幼い面も残っていて、気持ちが揺れ動きます。様々な経験を積んで大人として、同心として精神面も落ち着いていくのでしょうね。一方、本来の主人公である伊三次とお文の夫婦の関心事は、ひとり息子・伊与太の成長。聞き分けのいい息子で、手を煩わせることがありません。対照的な茜はおてんば街道まっしぐら。この二人は成長したらどんな関係になっていくのでしょう...2021/10/10
ふじさん
100
シリーズ7作目。子育てに励む2組に家族の日常の姿と龍之進等若者の成長の姿を母の温かい眼差しで描いた作品。お文と友之進の妻いなみが子育てに悩む姿がなかなかいい。又、見習い同心の龍之進等5人の若者が大人の世界に矛盾を感じながらもひた向きに、仕事に取り組む姿に好感が湧く。本所無頼派と八丁堀純情派との戦い、龍之進が大人の恋愛に出会う話、大人の世界や組織の論理に振り回され戸惑う若者の姿等、盛り沢山の内容。そんな中、龍之進の成長が楽しみ。今回もそれぞれに市井の何気な日常の出来事が描かれており、読んでいて飽きない。 2022/07/27
じいじ
100
大好きな髪結い伊三次シリーズの第7弾。いいですね。安定した面白さです。今作は同心・不破の息子龍之進の仕事ぶりを核に物語が展開されます。相変わらずの伊三次・お文夫婦の互いを思いやる仲睦まじい日常に心が和みます。子供の成長は目を見張る速さ。一粒種の伊与太も2歳に、片言のおしゃべりが可愛いです。その伊与太より少し早く生まれた不破の娘・茜もやんちゃぶりを発揮。ちょっと目を離した隙に、かどわかしに遭ってひと騒動に…。江戸町民の貧富の差が子供に及ぶのは何とも切ないが、宇江佐さんの優しい思い遣りが伝わってきます。2016/07/14
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