内容説明
日露戦争間近の明治38年、金沢に捕虜として収容されたロシア士官イワーノフ少尉と宿命的な恋に落ちた花街の美貌の芸妓氏染乃。二人を待ち受けたのは偏見と迫害、そして愛する者との別離という運命だった。
※本書は、『朱鷺の墓』上、中、下(新潮文庫、一九八二年)を上下に二分冊したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまうさ
3
朱鷺の墓イコール染乃やイワーノフのような美しく優しい人々の存在を許さなかった戦前の日本ーーーということなのでしょうが、作者は元々左翼だからなあ。私にはよっぽど昔の方がもののあはれがあったように思えるけど。2014/03/18
Galilei
2
発表されて間もなく読みました。独自の露文の香りに新風を感じ、見たことのない北陸の古都・金沢に憧れました。
midokame
2
★★★★★
TB
2
★★★★上下巻読了。 30年も前の高校時代に1度、大学生で2度読んだ大好きな作品で、ずっと好きな小説ベスト3に入っていた作品。 だったが・・・・ やっぱり感性も歳とともに変わるし、世の中の嫌なものもこの歳なりに見てきたせいか、素直に感動しなかった。 「そんな都合よく、危機を救う善人は現れないよ~~」と冷めて読んでしまった。 でも世界中を舞台に壮大なスケールで描かれる五木ワールドは面白い。ぐんぐん引き込まれる。 2013/10/26
継続力
2
30年ぶりに読みました。あの頃は、金沢とは全く無縁でしたが、金沢に縁が出来た現在、読み返してみると、また違った印象がありました。この作品は、五木寛之さんの作品の中でも、傑作の部類に入ると思います。2014/09/23