内容説明
新たなる同時テロの火種か、単なるテロ集団か──世界中の若者を引きつける武装組織「イスラム国」の現状・未来とは? 首切り動画や奴隷売買など、謎に包まれた組織を、元シリア大使として現地にネットワークを持つ著者が解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
96
過激派による日本人殺害。あの悲惨な事件を見聞きし「イスラム国」とはなんだろうか?と手に取った一冊。シリア、イラク大使を務めるなど中東経験の長い作者がイスラム国が生まれた背景や、アルカイーダとの関係、なぜ海外からの志願者も多いのかなど、わかりやすくまとめてありました。惜しむらくは肝心の「正体」については「~と思われる。」「~とされている」の伝聞のみであること。まともな取材活動ができない状態では致し方ないのでしょう。今回の事件によって、日本も否応なくこのテロとの戦いの渦に巻き込まれていくのだろうか?★★★+2015/02/04
5 よういち
92
2014年6月29日に武力弾圧していた地域を領土として独立国家宣言をしたのが、イスラム過激派「イスラム国」だ。イスラム国が勢いを増し続けていた2015年に刊行された著書で、衰退の一途を辿っている現在とは情勢がまるで違う。内容的にも、本書の刊行後にテレビや新聞が色々な切り口で多くとりあげていたので、大体これまで語られてきたもので、個人的には特別、本書で上積みされたものはなかったかなぁ。ただ、全体像を知らないという方にとってはイスラム国を整理するのに丁度良いと思う。2019/06/01
べっち
33
★★★★全体的に分かりやすいが細かい所まで記述しているので入門書を読んでおくといいと思います。本書で書かれていることはあくまで推測。本書にも書かれているが、イスラム国は雪だるま式に拡大しており、おそらくイスラム国自身も実態がわかっていないというのが現状。イスラム国はコーランなどに書かれていることにも無視しており、勝手な自論だが、イスラム教を装った世界征服を企む殺人ビジネス集団とも言えるかもしれない。「15〜16世紀のメンタリティーの日本人が、21世紀の科学技術を持った集団」それがイスラム国。2015/01/20
SOHSA
30
《購入本》やはり中東情勢は複雑で難しい。昨今の利害関係や宗教対立だけではなく、サイクス・ピコ協定に基づくオスマン帝国の分割と国境線の設定による遺恨、領土問題、多くのイスラム過激派グループの発生とグループ相互の抗争、ソ連のアフガン侵攻、湾岸戦争等々、多くの事柄・原因が複雑に絡まり合い簡単に解決できない状況が続く。そして、その余白を埋めるように発生したイスラム国は外国人メンバーをも多く抱え、その活動も特定地域に留まらない。本書で著者が示した「イスラム国の正体」は、やはり読み手にとって容易には理解し得ない。2018/02/03
あなほりふくろう
28
イスラム国の解説本として、とりあえず頭に入れておけレベルの内容がきちんとまとめられている。後半にあるイスラム過激派の系譜と歴史的流れ(これが簡潔にまとめられていて、非常に有難い)に目を通して、その上で前半にあるイスラム国の成立と特徴、現在の状況をさらっていくと掴みやすいかも。シリアやトルコ、又は欧米の関係当事国の持つ様々な思惑がかの「国」への対応を遅らせていることも見て取れる。これもアラブの春の余波なのか。今回の人質事件や一連の報道に対して、この本で得たことを踏まえた上で、注視していきたい。2015/01/25
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