内容説明
独自の歴史眼で新しい日本史を紡ぎ出す井沢元彦、渾身の歴史シリーズ第三弾! 今回のテーマは、ズバリ「皇室」。なぜ、そしてどのようにして天武系から天智系に天皇がシフトしていったのか? この謎を解くカギは、道鏡と称徳天皇の関係にあった――。古代史最大のスキャンダルに秘められた皇位継承争いの真相に、井沢史観が鋭くメスを入れる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
48
2010/1/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。2014/2/22〜3/5井沢史観で読み解く天智・天武と日本教。歴史に宗教観を持ち込むという手法については大賛成。すべて正しいとは思わないが、教科書に書かれてあった歴史よりはよっぽど説得力がある。2014/03/05
Kumisuke92
10
壬申の乱が天智系から天武系への政権交代だということは知っていたが、桓武天皇の平安遷都が天武系からの決別であったという捉え方は新鮮だった。高度な技術の粋で作られた大仏は天武系の繁栄を願ったものだったが、天武系は途絶えてしまった。後継が途絶えるくらいだったらという称徳天皇の道鏡への皇位譲渡は、天武系を貶めたい天智系によってスキャンダラスなイメージへと塗り替えられたという。納得できる論理だ。井沢元彦は日本史学界への批判が強すぎると思うのだが、実際そこまで言わないと受け入れられない風潮があるのかもしれないな。2016/09/19
Tomoichi
7
一体この本の編集者は何をしているんだろう?コピペだらけ。折角面白い視点で日本史を読み解いているのに同じ話・文章が繰り返されている。残念。。。2015/09/03
eMI-sAN
4
★★★★☆【2007】日本の仏教。奈良の大仏。道鏡巨根説について。『万葉集』。天武系天皇・天治系天皇。なるほどな~と何度も頷きながら読了。飛鳥時代・平安時代が好きなので読みやすかった。●井上靖『天平の甍』。柿本人麻呂。2016/06/03
Jimmy
2
サブタイトルに引かれて購入。割と面白かった。 史料絶対主義に陥らず、その時代の日本人の宗教観・世界観を考慮に入れた推理(これは私が勝手に彼の論はあくまで推理のレベル、という事で当てた表現)をすべき、という考えはかなり同調できる。しかし、あくまでも論文の体裁はなしてない、どちらかというと気楽な読み物とし楽しむのが良さ気。そういう意味でとても刺激的で面白い本でした。道鏡が天皇になってよいのかの神託を伺った宇佐神宮が、実は本当の皇室の祖先、というのもなるほど、と思える。2010/01/29