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内容説明
偵察機を目撃したあいは、空腹も重なり、些細なことで班長や仲間を憎もうとしてしまった。戦争の足音が少女の純粋な心までも蝕もうとする中、昭和19年12月7日、名古屋を最初に襲ったのは敵国ではなく、大地震だった。さらに追い打ちを掛けるように、12月13日、三菱発動機に爆撃が。そこはあいの友達が働いているはずの場所。これが「名古屋大空襲」の始まりだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
42
敵機が襲来し、防空壕に退避しながらの勤労に励むあいちゃんたち。怖いしつらいし毎日が恐怖の連続で、銃後の人たちも命がけで勤労動員に勤めていたことがわかります。境遇が違ったり貧富の差があれど、空爆で死んでしまうかもしれない可能性は皆同じで。その上昭和19年に愛知で大地震があったとは、本当に知りませんでした。2015/12/06
かおりんご
33
漫画。敵機が名古屋の空を我が物顔で飛ぶようになった。誰しもが、明日は我が身だと、不安におそわれる。動員された場所によって、生死の明暗が分かれるのか。代わって欲しいという気持ちは、分からなくもない。2015/11/16
wanichan
29
情報統制されていた時代。近くで爆撃が落ちているのに、その情報を知ることができない。女、子供は知る必要がない。一日数回の空襲警報の中、不安に苛まれる中、何を思っていたのだろうか、死と隣り合わせで生きていくことの怖さを感じた。2015/06/02
yoshida
26
空襲の前に大地震が発生。何とか生産継続する軍需工場。ついに本格的に空襲が始まる。あいも友人を亡くす。銃後の人々の日常、秘めた思い。圧倒的な米軍の力に高射砲も届かず、これから蹂躙されるであろう名古屋の街。戦時下の日本を知ることができる。日本人として知らなければならないと感じた。2014/11/11
ジロリン
19
オビの山岸涼子さんのコメントが、このマンガの全てを語っている。さすがだ。「声高に反戦を叫ぶのでもなく…戦後民主主義のフィルターで記憶を修正するのでもなく…ありのままの戦時中を描く…」。こういうフラットな視点で戦争を描くのは、かなり難しいことだと思う。B29の姿を目にした主人公が「こんな竹箒で、あんな巨大な武器と立ち向かえるのか…?」と不安になるくだりの描写が鮮烈。戦争中ということで、殆ど情報が流されなかった大地震の被害の甚大さ…こんなの、地元育ちの自分も知らなかった。「語り継ぐ」ことの大事さを痛感する。2014/11/04