角川文庫<br> 冥談

個数:1
紙書籍版価格
¥572
  • 電子書籍
  • Reader

角川文庫
冥談

  • 著者名:京極夏彦【著者】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • KADOKAWA(2013/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041011522

ファイル: /

内容説明

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。僕は小山内君に頼まれて留守居をすることになった。襖を隔てた隣室に横たわっている、妹の佐弥子さんの死体とともに。しかしいま、僕の目の前に立つ佐弥子さんは、儚いほどに白く、昔と同じ声で語りかけてくる。彼女は本当に死んでいるのだろうか。「庭のある家」をはじめ、計8篇を収録。生と死のあわいをゆく、ほの瞑(ぐら)い旅路。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

76
文庫で再読です。オムニバス形式の短編集。生と死の間にいるような曖昧でほの暗さが感じられます。あの世がちらつくのには鳥肌が立ちました。完全に見せるわけではないというのがまた怖さを駆り立てるところです。2018/08/13

Yuna Ioki☆

55
743-352-9 京極夏彦には珍しく(?)短篇集。後の遠野物語にも通じる感じかな。やはり京極堂シリーズの本編が早く読みたい。2014/11/05

38
【ホラー週間@月イチ】④初作家さん。今まで読んだことのないような独特の世界観だった。怖いというよりは不気味。もやもやっとしたはっきりしない怖さ。2018/10/29

つたもみじ

37
短篇集。どの話も、ゾッとするような恐怖ではないけれど、日常にふと顔を覗かせる怖い話。『幽談』のように物語に織り込まれた据わりの悪さや、正体のわからない不気味さは少なかったが、それよりも、より身近なところに潜んでいる恐怖が多かった。本当に死んでいるのか、それとも生きているのか。彼岸と此岸のなんと曖昧なことよ。「過ぎた時は、死んだ今。記憶というのは、今の幽霊」ラストの『先輩の話』だけは少し異質で、酷く切ないラストだったが、個人的には『凬の橋』『柿』に薄ら寒さを感じた。2014/05/10

よみとも

30
気づかぬうちに踏み込んでしまった此岸と彼岸のあわい。灰冥さの中に置き去りにされるような短編8編です。説明もつかず、何も分からぬままに終わってしまうスタイルで、中には分からなすぎて、読みきるのがちょっとしんどいものも。ふと訪れた幼なじみの家で、隣の間に死体が安置されていると告げられ留守番を頼まれる「庭のある家」、壁の穴の向こうに覗く顔「冬」、無言で橋を渡って石を拾えば死者の遺志を知ることができるという「凮の橋」、の3編は厭な感じも絶妙でお気に入りです。2024/09/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7873886
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数6件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす