ガガガ文庫 カクリヨの短い歌2

著者名：大桑八代【著】/ｐｏｍｏｄｏｒｏｓａ【イラスト】

小学館（2015/10発売）

• ISBN：9784094514438

内容説明

真晴からの脅迫状が完道を歌典寮の巣窟に！

たまたま歌の家に生まれ、双子の兄よりも才能に恵まれていたという理由で、逃げることも許されず、絶えず歌をたたきこまれた。そのせいで体の弱かった妹は病に倒れ、早すぎる死を迎えようとしている。歌に支配された一生といっていい。
　少年は妹に辞世を詠んでもらいたくなかった。詠めば妹の死が逃れられないものであることを思い知らされることになるという恐怖もあったが、それよりも大きかったのは「自分の言葉でしゃべってほしい」という願いだった。悔しいなら悔しいと、悲しいなら悲しいと、与えられた形式ではないむき出しの言葉を口にしてほしかった。しかし少女は、手を強く握っても握り返してくれなくなってしまった……。
　不変なものなどなにもないのだ。だから、妹の辞世を覚えているなど無駄だ。

―――歌が憎い。妹を奪った歌を一首残らず、必ずこの世から―――

話題のガガガ大賞受賞作の続編が早くも登場！シリーズ２作目にして早くも最高傑作！！

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[あなほりふくろう]

帯とあらすじはネタバレだと思うのｗ そして正直なところ、真晴さんのどんがらがっしゃんを期待していたので（苦笑） 横溝ミステリにうまいこと禍歌というファンタジーを取り込んで、ライトに仕立てた第2巻。2冊目にしてすでに世界観が出来上がっているのは作者大勝利といったところか。つくづく「禍歌」の発想に感心してしまうし、ストーリーも見事に収束して面白く読み終えることができた。彼はこれからも彼なり弱いなりに禍歌を消し去ろうと足掻き続けるのでしょう、再登場を期待したい、そして藍佳に追いかけ回されて欲しい。

2013/11/02

[シュエパイ]

旧家の会合に期待される要素をきちんと兼ね備えつつ、全てが悲しい方向に落ちていったのですね。この子たちの犯罪、きっと小糸さんをターゲットにしたりしなければ、噤まれたまま世の闇に消えたんだろうけどなぁ。。。１人戦国時代がどこにいるのかはアッサリ判りやすいけど、そうか、あのこと絡むために出てくるのか。弱く詠わないままに歌を消し去ろうと誓う彼の奮闘振りが気になるのです

2013/10/27

[サキイカスルメ]

1巻を超えてたんじゃないかな、これは。魔法の呪文のような和歌がある世界で、多くの和歌を継ぐ祝園家当主の完道と、和歌に魅せられ和歌を集める帳ノ宮真晴のお話。といっても今回は完道サイドがほぼでした。ただ真晴が最後に美味しいところ持ってった感はある（笑）ミステリ風味になっていたのも、私は好きでしたね。完道は探偵役に向いてると思うの。藍佳は相変わらず可愛かったです。さすがたぬきつねヒロイン。今回の真晴はボーナスステージ優しいモードだったので、次回からの本領発揮も楽しみ。

2013/10/22

[ごぅ。]

被害者は例外なく鏃を丸くしたもので喉を潰される「喉貫事件」が起こる。。そのなか帳ノ宮真晴よりおくられた脅迫状が六歌澪率いる歌典寮の巣窟に祝園完道を誘うことに、、、両者の関係と犯人がみえるたびこの世界に歌とともにどっぷり浸っていくこの感覚がすごく良い。。お偉方のギスギスから相変わらず歯に衣着せぬ真晴の厳然さが良い良い。

2018/07/01

[ころん]

矢で喉を射抜かれているという『喉貫事件』が世間を騒がせていたが、完道を訪ねてきた黄川田と明瓦は歌詠みの仕業だと疑っていた。そんな中、六歌澪が門江家に集まることになり、完道も藍佳と共に参加することに。現代のような時代劇の世界のような、独特の世界観が素敵。完道と真晴の話はほとんどなかったけど、六歌澪や歌典寮が関わってきて更に世界が広がった印象。前編を通して感じる切なさとか儚さが好き。藍佳は相変わらず可愛いなぁ。

2013/11/10