内容説明
失われてしまった<和歌>を巡る物語――。
もし「歌」について語る機会があるのならば、断絶という一語で足りてしまう。
遠い遠い昔に生まれた「歌」は、ある時に一首の例外もなく幽現界(カクリヨ)に消えた。それから後に、僅かずつではあるが「歌」は還ってきたが、昔の人たちのようにただ無邪気に楽しむことはできない。「歌」のありかたは、根本から変わってしまったのだ。
白髪の青年・祝園完道と類なき天才歌人・帳ノ宮真晴の命運が交錯する――失われてしまった和歌を仲立ちに。
新星、大桑八代がおくる・三十一文字を巡る物語……。
賀東招二氏(『フルメタルパニック』シリーズ)が「キャラも台詞回しも個性的かつスタイリッシュ」と絶賛した、第7回ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞作!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
稚羽矢
23
和歌を題材にした和風ファンタジーですごく面白かった。日常シーンも楽しく読めて、バトルシーンは迫力があって良かった。それにしても藍佳ちゃん可愛いな~。次巻にも期待したいと思います!!2014/01/18
シュエパイ
19
一度世界から喪われ、存在意義を変えて世に舞い戻った"歌"に魅了された人々の世の話。三十一文字の和歌が一杯で、凄く好きな世界観!生の喜びを、死の悲しみを、離別の苦しさを、焦がす胸の炎を、かつての人々が歌った言葉を愛する世界とか、もう素敵で仕方ないのですよっ。幾つも幾つも題材となる歌はあるでしょうし、続けて欲しいなぁ♪あ、できれば、狸が狐をなのる理由も(笑)2013/05/31
あなほりふくろう
15
和歌が呪術の呪文としてこれ程都合よく使えるものとは、とまずは感心。「自分が(歌を)抱いて死んでやる」完道と真晴、方法論は違えども思いは同じ二人。真晴が完道の本心と自らの恋情に気付いたあたりの描写は丁寧で、バシルーラなラストも肩透かしかなと思いつつ納得できる結末。ただ、真晴のキャラが強すぎるのか所々アンバランスな感じがして、むしろ真晴を主人公にして完道に撥ね返されるラストでも良かったのでは、なんて。「黒桜花」のエピソードが面白かっただけに、一人戦国時代冒険譚でもっと真晴の活躍を見たかったのかもしれないが。2013/08/09
1_k
13
短歌を呪術の詠唱文句に見立てて、純和風の魔術バトルに展開させる発想は面白い。言霊とは本来そういうものであろう。技量は高いのだが、残念ながら特殊で扱いにくい「短歌」という素材を完全には調理しきれなかった感がある。雰囲気作りはよくできているので、私のようなド素人にも短歌の魅力が伝えられるだけの細やかさが有ればもっとよかったのに。ただ、仮にオーソドックスな素材ならば十分良作には仕立てられるだけの力量はありそうなので、いいチャレンジだと思う。これを次回作に生かせれば良作以上のものができるのではなかろうか。2013/05/25
瀧ながれ
12
和歌が好きで、それらの中に「チカラ」を見つけるのが楽しいので、和歌で遊ぶこの作品も楽しく読みました。登場した歌のほとんどが、戦いに特化したものだったのが、少し残念。もっとシンプルにすごい歌もあるよ。続巻で出てこないかな。ひらがなでしゃべる藍佳ちゃんがたいへんかわいらしいです♪2013/06/07
-
- 電子書籍
- おっさん、転生して天才役者になる【分冊…
-
- 電子書籍
- ツキノワグマ すぐそこにいる野生動物
-
- 電子書籍
- 異色の指導者 ユース、高校、Jを率いて…
-
- 電子書籍
- とあるおっさんのVRMMO活動記7 ア…
-
- 電子書籍
- 初版グリム童話集1 白水Uブックス