内容説明
ヒトが黄昏を生み、黄昏がヒトを殺すのだ。
妹のアオイのため。
妹を一番に想う自分のため――。
全天を覆う茜色の空――《黄昏》。それはヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる病の元凶。そんな《黄昏》を体内で浄化し《黄昏のない世界》を生みだしているのが《黄昏の君》と呼ばれる少女たち。《黄昏のない世界》を囲む城壁の外周には、自然と人々が集まり、《境界都市》と呼ばれるスラム街を形成していた。
幼くして両親を亡くし《境界都市》に妹とふたりで暮らす青年・シズマは、妹を養うため、危険を伴う「黄昏病により死んだ患者の回収業」で日銭を稼いでいた。目標は、妹を学校に通わせることと、《黄昏のない世界》である第十三都市に移住させること。ある日、いつものように《黄昏のない世界》の研究所へ「荷物」を届けたシズマは、妹にそっくりな顔をした少女に出会う。《黄昏世界》に興味津々の闊達な少女・トワは、シズマの車に乗りついてきてしまうのだが……。
『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』など、数々のメディアでヒット作を世に送り出している竜騎士07氏がゲスト審査員を務めた「第4回小学館ライトノベル大賞」にて、優秀賞を受賞した新人・本岡冬成の最新作!
※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ごぅ。
5
全天を覆う茜色の空――≪黄昏≫。それはヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる≪黄昏病≫の元凶。≪黄昏病≫による死者の回収を生業とする青年・シズマは、「荷物」を研究所に届けたその日、妹にそっくりな少女に出会う。トワと名乗ったその奔放な少女は、妹のために過酷な労働をこなすシズマと、兄を想いつつも表に出さない妹・アオイに、素直な疑問を投げかける。トワの言動によって、感情を揺さぶられていくふたり。実は、三人の間には深い因縁があり……。もうひとつの黄昏世界の物語。。舞台設定も面白くそれにより揺れ動く情感が良2022/07/10
KEI
5
購入。前巻より読みやすくなったのかな?前巻の記憶があまりないのが残念なところだが(苦笑)。どうしようもないほど絶望的で、今日を生きることが精一杯で、明日に希望など持てない黄昏満つる世界で、彼らは生きた。とても綺麗なんだ。廃れていて人々は滅びに向っていて前向きなものはほぼないのに、お互いにお互いを思う兄妹は綺麗に映る。きっと物語を見ている側だけの感想なのだろう。この世界観はとてもいい。うまく言葉に出来ないのが残念で仕方ない。この世界観のDC、コンピレーションアルバムが出たら買うと思う。2010/12/28
椎名
4
世界観をそのままに、一巻とは別のキャラをメインとした続編。一巻のほうが好きでしたが、人間の弱くも強い部分は結局「忘れる」ことができるからなのかもしれないと思えた第二巻となりました。表紙が素敵。2015/08/16
ころん
4
今回も、優しくて残酷で、でもどこか綺麗と思ってしまう、素敵なお話でした。出会い方に問題があったのか、出会った世界に問題があったのか…黄昏から逃げ続ける生き方しか選べない人達のお話。この雰囲気と空気感のままシリーズ化して欲しいです。2010/12/30
ハロサイ
4
ずっとひたすら、ねっとり気怠い黄昏の雰囲気が漂う。黄昏とは何か、というごちゃごちゃして分かりづらくハッキリしない部分をも覆い尽くしてしまう雰囲気。安易にハッピーエンドにしないところも余韻が出ていいし、第1巻のストーリーを引き継がず1冊の中でしっかり話を完成させてるところもまた雰囲気を引き立ててると思う。ただちょっと著者の独りよがりな感じもあったかな[☆☆☆☆-]2010/12/22
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