ガガガ文庫<br> 黄昏世界の絶対逃走(イラスト簡略版)

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ガガガ文庫
黄昏世界の絶対逃走(イラスト簡略版)

  • ISBN:9784094512052

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内容説明

第4回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞
『黄昏予報の時間です。本日の黄昏濃度は約80パーセントになる見通しです。発作的な自殺には注意しましょう』

全天を覆う茜色の空。《黄昏》はヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる病の元凶。世界は《黄昏》により憂鬱になり、生きる気力を失った人々で溢れていた――。
そんな世界でフリーのエージェント(なんでも屋)を生業としていたカラスは、革命家・カヤハラから、《黄昏》を浄化するという《黄昏の君》の奪取を依頼される。超長距離輸送列車《トワイライト》により帝都に輸送される最中、転覆した車内から気絶した《黄昏の君》――飾り気のない黒いドレスに身を包んだ美少女・メアリを奪ったカラスだが、なぜかメアリはカラスに懐き、ともに目的地までの短い旅を続けることになる。行く先々で《黄昏》に冒された人々との出会いと別れを繰り返しながら……。
『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』『おおかみかくし』など、数々のメディアでヒット作を世に送り出している竜騎士07氏がゲスト審査員を務めた「第4回小学館ライトノベル大賞」にて、優秀賞を受賞した作品がついに刊行! 『とある飛空士への追憶』(著/犬村小六)をも彷彿とさせる、青年と少女の逃避行。

※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめありす@灯れ松明の火

13
「黄昏」に浸食された人は心を壊し、冷たい死を誘う。その黄昏から人々を守る兵器である少女と便利屋の少年のロードノベル。黄昏は夕方だけではなく、はじまりの朝にさえあって、常に黄昏は両方から迫ってきている。だから、逃げる。己の身の内からあふれ出る不安と、荒廃した世界の終わり。二つの不安から絶対に逃げなくては。けれど、黄昏が人を殺すわけじゃない。理由はいつも自分の胸にあって、それを乗り越えて美しい夜空や青空を眺めるのは、自分の力なのだ。そして、世界に向けて誰かが呼びかける。あなたは、みんなは独りじゃないと。2011/09/20

アキラ@アニメと積読本を消化したい

10
中の下。うーん、面白いかと訊かれれば、あまり面白いとは言えないかな。ただまぁ、物語から漂う絶望的で荒廃気味な暗い雰囲気は割と良かったし、イラストも良い感じなので、この評価に。過去の大規模戦争でばら撒かれた《黄昏》と言う名の『毒』が、人々の心を汚染し死に追いやる、という世界観はなかなかに良いとは思うんだけど、展開がイマイチかなぁ。何と言うか、物語に起伏が無い感じがする。正直、第六章からの失速具合が酷い。あと、主人公カラスとメアリ以外のキャラが、出番が少なく極端に薄い。個人的に、第五章の扉絵が割とお気に入り。2015/07/10

KEI

7
購入。主人公・カラスに馴染めず、三章まで辛かった。四章では彼の過去が語られ、彼の繕った性格が剥がれ感情の一端が垣間見られてから入り込みやすくなった。カラスとメアリの、戯曲めいた上っ面で上滑りした実の無い会話のやりとりに紛れ、大事な部分が非常に掴みにくい。過去を忘れた少年と過去を奪われた少女の、文字通り「終わりの前」の逃走劇。2010/05/20

椎名

6
面白かった。世界観、設定、雰囲気勝ちといった感じで、好きな人はそれだけで好きな作品。また黄昏予報の定型文、あなたの周りにはみんながいます、みんなの周りにはあなたがいます、という通り、二人でいても一人と一人なのだという人間観が良かった。「言葉にできることなんてほんの一握りだけだ、してみたところで自分をがっかりさせるだけだ」この辺りのカラスとメアリの会話が印象的。綺麗な世界でした。2015/08/16

暗夜海

4
終末世界物は好きだ。その退廃的でノスタルジーに囚われる様な感覚は読んでいて心地いい。が、本作はそうでもなかった。それは取りも直さず主人公であるカラスに物足りなさを感じてしまったから。カラスは便利屋として振る舞っているがどうしても幼さを感じてしまう。それは年齢なのかそれとも容姿なのか。両方かもしれない。食えないカラスではあるがどうしても背伸びしている感が拭い切れないのだ。できる事ならもっと年齢高めな、そしてもっと渋いおっさんな主人公で居てほしかった。或いはいっそのこと子供でもよかったが。どっちつかずな印象。2014/08/21

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