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出版社内容情報
大和 和紀[ヤマト ワキ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiki
6
紫の上にずっと藤壺を重ねる源氏は、本当に彼女を藤壺の代わりにできていたのだろうかと思っていた。やはり違ったのだなと納得の終盤。男の甲斐性というものの本質を彼に見た気がする。それと対になるかのように自分らしく生きることを選べるよう望む女性たちのモノローグとが重なり合う。時代の常識と現代に生きる者たちへのメッセージが上手く融合している。『雲隠』をどう表現するのかと思っていた。初めて源氏物語を読んだ時に衝撃だった。それは鮮やかすぎる手法で、これ以外方法はないとまで思ったのが懐かしい。漫画では難しいよね。2023/04/28
あやーきー
5
藤壺に似てるかもしれない下心&極上の女性を育て上げた驕りから女三の宮を正妻にした光源氏だが、ふわふわ具合に愛想を尽かしてしまう。紫の上の若い頃はもっとしっかりしてたのになんて紫の上を見出した光源氏はどこへやら。老いてしまったねぇ…。どんな浮気も気にしないふりをしてきた紫の上も心折れて弱っていく。それでも光源氏の行く末を気にせずにはいられない。彼女は本当に強い人。実体のない愛情を理想ではなくとも最後まで拠り所にしてきた。いつまでも探し求めた光源氏とは対照的。ハッピーエンドと言えないが、幸せがあったのは確か。2023/12/14