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内容説明
有馬公生(ありま・こうせい)がコンクールの舞台に帰ってきた――。そして、そこには成長したかつてのライバル達が待ち構える。大本命と噂される相座武士(あいざ・たけし)は、圧巻のショパンを披露。井川絵見(いがわ・えみ)は力強い音色を奏で始める。「有馬公生を否定する」ために弾きつづける少女の旋律とは? そして、ブランクと音の聴こえぬハンデを背負う元天才少年の演奏は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優愛
129
絵見の奏でる木枯らしが魅せたのは公生への憧れと、悲しさと、願い――「言葉は蛇足だ」響け、そう想いを込めて鍵盤に願いを託した。公生の出番が近づいてくると突如姿を見せた高まる胸の鼓動と慣れない緊張感。やっと音が聞こえるんじゃないか、そう思ったけれど公生の抱える母親への罰は私が思うよりもずっとずっと深く根を張っていた。こんなに苦しんでいるのに一向に音へは近づけないもどかしさ。それでも逃げない公生は本当は自分が思うよりずっと強い演奏家。だからどうかどこまでも自由で、素直な演奏を大切な人へ思いっきり届けてほしい。2014/12/19
抹茶モナカ
113
かつて、公生が初めて人前でピアノ演奏する姿を見て、ピアニストになった井川が、その思いをピアノ演奏に託す。コンクールでは、公生の順番が来る。かつての自分を再生する演奏をしていた公生だったが、母親の呪縛が彼を襲う。2014/11/02
masa@レビューお休み中
101
毎報音楽コンクールが始まる。前回はかをりと一緒に出ることができたが、今回は公生ひとりだけ。ソロでのピアノコンクールである。天才少年と謳われ、各賞を獲ってきた公生は周囲からは好意的には見られていない。むしろ周囲は危険因子として排除したがっているようにすら見える。それと同時に、彼の復活を待つ者たちもいる。同じコンクールに出場する相座武士と井川絵見である。公生の記憶になかったふたりが、ここに来て生身の人間として、そしてライバルとして現れる。ライバルっていいなぁ。あるとなしでは大違いだって思います。2018/05/23
みい
89
絵見ちゃんの演奏がゾクゾクっとして素敵だった。公生の小さい頃の演奏をきっかけにピアノ。絵見ちゃんの小さい頃がかわいいっ!2015/06/16
くりり
66
ライバル登場♬絵美ちゃんたちの熱い演奏でファースト公生は復活するか!?2013/09/22